75歳以上の医療費の約8割を税金と現役世代が負担
75歳以上の方は「後期高齢者医療制度」に加入していますが、1人あたりの医療費は約100万円、全体では約20兆円という莫大な金額にのぼっていて、しかも年々増加傾向にあります。
後期高齢者の医療費は現役世代の医療費の約4倍にも達していますが、現状その約8割は税金と現役世代の支援金でまかなわれています。
お年寄りは収入もないし、生活に困っている人が多いので、その医療費を現役世代が負担するのは仕方がない、という考え方も当然あると思います。
「お金持ち高齢者」を「現役世代の借金」で支えている
ただ、今問題になっているのは、「生活に困っているお年寄りばかりではない」という事実です。
以下の図表3は貯蓄額から負債額を引いた額を世代別に表したものです。
これによると、70歳以上の世帯はおよそ20年ほど前からずっと2000万円以上をキープしています。
一方、30代を示す緑の棒を見ると、年々借金が増えています。
つまり、現役世代が年々資産を減らす一方、高齢世代はずっと財産をキープしていると言えるのです。
まさに「お金持ちの高齢者」の医療費を「借金を抱えている現役世代」がまかなっているわけです。