何が間違いなのかを具体的に指摘する
叱る時に大事なのは、タイミングです。基本的には、「常識」や「マナー」に反する行為は、その場で指摘して、改善を促さなければいけません。
「不可抗力であっても、少しでも遅れる時には、前もって連絡を入れなさい」
「きみの電話でのやり取りだけど、敬語の使い方を間違っていたよ。正しくは○○だよ」
「さっきの接客時のきみのうなずき方だけど、あれでは不躾でお客様に対して失礼だよ」
こんな具合に、具体的なポイントを短く指摘して、たしなめることが重要です。
また、ミスの原因が根源的なところの場合には、時間と場所を変えて行いましょう。
「ケアレスミス」の多い部下への声かけ
ついうっかりのミスと、怠慢によるミスは違います。
ただし、ここで叱責する場合には、もう一度、上司である自分の指示の出し方が悪かったのではないか――という「振り返り」もしてみるべきです。
どこかで部下に勘違いを生じさせたのでは?――と責任の一端が自分にもあるかもしれないといった謙虚な気持ちで、部下と向き合うべきだからです。
単純なケアレスミスは、その場で原因を指摘して改善を図るべきですが、ここでもケアレスミスが何度も続くと上司は苛立ちを覚えます。しかし、「またかよ、お前、バカじゃないのか?」「なんべんやりゃあ、気がすむんだよ!」などと言う罵声は禁句です。
深呼吸して、「ミスしない方法を考えて報告してくれないか?」と問うべきです。
怠慢による部下のミスの場合は、上司も頭に血が上りがちです。そんな時は、自分の頭を冷やす意味でも、「きみ、ちょっと会議室に来てくれ」などと場所を変えて、じっくり部下と向き合うようにすることです。部下も「事の重大性」を認識するはずです。