「自分の気持ち」に目を向けてみる

人はそれぞれ違います。好みもやりたいことも違います。

得意なことや苦手なことも違うし、一人ひとり、体力やキャパだって異なります。

それをみんな「べき」「しなきゃ」でまとめるほうがおかしくないでしょうか。

でも、社会にふわっと存在する、こうした「べき」「しなきゃ」を真に受けてしまうと、「自分が本当にしたいこと」「自分が幸せだと感じること」が見えなくなってしまうんですね。

だから、「べき」「しなきゃ」にまぎれて見えなくなってしまっている「自分の気持ち」に目を向けてみることが大切だったりします。

「自分の気持ち」って見えていますか?

「がんばって仕事すべきかもしれないけど、私はもう少し休みが欲しい」
「職場で協調性を大事にすべきなのはわかるけど、全部の人に合わせるのは正直難しいし、無理して合わせたくない」
「仕事や家事でイライラするより、子どもと楽しく過ごしたい」
「スキルアップして成長するより、まったり仕事していたい」

なんていう「自分の素直な気持ち」です。

それが見えづらくなっているなら、「べき」「しなきゃ」を一度、手放してみるのもいいかもしれません。

「べき」「しなきゃ」を手放したときに、ふっと「私はこうしたい」が見えてきたりします。

「手を抜けるところはないか」という視点をもつ

「あれしなきゃ、これもしとかないと、って段取りばかりがそこそこうまくなって、結局、自分も家族も大切にできてない気がする」なんて悩みを聞いたことがあります。

真面目で、がんばりやさんってこういう人が多い気がします。

もちろんがんばってうまくいくのなら、それはそれでいいことです。

でも、がんばりすぎてしまって、自分がへとへとになってしまったり、心がすりきれてしまったり、「もうダメだ」みたいになっているとしたら――。

「手を抜く」のもありだと思います。

目の疲れを感じるビジネスパーソン
写真=iStock.com/maroke
※写真はイメージです

上手に手を抜くポイントは自分のキャパがオーバーする前に「手を抜けるところはないか」という視点をもつことです。

たとえば、仕事をたくさん抱えているときに、上司から急ぎの仕事をふられたとします。

「手を抜けるところはないかな」という視点がないと、

「今やっている仕事も終わってない! →上司の仕事も断れない! →仕事つらい →もう会社やめよう」

なんて思いつめてしまうかもしれません。

一方、「手を抜けるところはないかな」という視点があると、

「今やっている仕事も終わっていない! →上司の仕事も断れない →」

の段階で、「あ、そろそろつらくなるな。キャパオーバーの一歩手前かな。手を抜く場所を考えたほうがいいな」と思えたりするのです。

その結果、次のような解決策が頭に浮かんだりするんですよ。

「今やっている仕事を、少しずらせないか聞いてみよう」
「上司の急ぎの仕事は半分だけ引き受けられないか聞いてみよう」

無理していっぱいいっぱいになって、「もうダメだ」となってしまうより、全然いいと思いませんか?