チームメンバーのモチベーションを高める仕事の任せ方とは何か。人材育成・組織風土改革コンサルタントの園部浩司さんは「私がマネジメントに悩んでいたとき、部下たちが入れ替わり立ち替わり笑顔で相談にくるマネージャーがいて、その彼は何にでもOKを出しているように見えた。その後、部下のモチベーションを高めるためには、誰かに言われたからではなく、自分で決めて自発的にやっているという『自己決定感』が必要だと気づいた」という――。
※本稿は、園部浩司『変化をもたらすリーダーは何をしているのか?』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。
一方的に決められたメンバーは「押し付けられた」と感じる
あなたは、チーム全員の仕事の分担をどのように決めるのがいいと思いますか。
リーダーが正しく業務の洗い出しを行い、目標や業務計画をきちんと立てて、メンバーの分担を事細かに決めてあげる。それが一番早くて、合理的。それこそがリーダーシップを発揮することである。そんな考えを持っていませんか。
それは一見、正しいように感じられると思います。
しかし、多くの人は、自分で考えたり決めたりすることにモチベーションを感じます。人から一方的に押し付けられるのは嫌なもの。
いわゆるやらされ感です。
私が本気で変わろうと考えて、周りを見るようになった時、少しずつそのことに気づきました。
するとまずは、すぐ近くの部署に、「こんなリーダー、上司になりたい」と思えるようなマネージャーの存在に気がついたのです。
その人のもとには、部下たちが入れ替わり立ち替わり相談に行っていて、さながら“行列のできるマネージャー”といった体でした。