モバイル契約のしまいかた

故人のスマホ等の通信通話契約の解除(あるいは名義変更)は、通信キャリアのショップやサポートセンターの窓口を通して行います。その際に必要な書類や情報は通信キャリアごとに違いがありますが、大まかには下記の3つとなります。

契約対象品……端末本体やSIMカード本体、契約書類等
契約者の死亡確認書類……公的な死亡証明、会葬礼状等
申請者の本人確認書類……運転免許証等

SIMカードとは通信通話契約を記録した小さな電子カードで、スマホ等に挿入されています。一部の機種では「eSIMイーシム」といってSIMカード機能が本体に組み込まれたものもありますが、いずれも故人の端末をそのまま持ち込めば問題ありません。

書類等に不備があってやり直しになることもしばしばあるので、事前に契約している通信キャリアのページで内容を確認しましょう。店舗に持ち込む際はその店舗に事前に相談した上で向かうのが確実です。

【図表1】故人の通信通話端末について通信キャリアが対応する内容
伊勢田篤史・古田雄介『第2版 デジタル遺品の探しかた・しまいかた、残しかた+隠しかた』(日本加除出版)より

固定回線契約のしまい方

契約している回線事業者、またはインターネットサービスプロバイダー(ISP)に連絡すれば、必要な書類や手続をナビゲートしてくれます。

名義変更(承継)に対応しているケースが多いので、家族として引き続き利用するなら、窓口にその旨を伝えましょう。

通信契約の解約には注意が必要

契約者が亡くなった際の解約手続自体は無料で請け負う通信キャリアがほとんどです。ただし、解約日までの利用料金は日割りで発生するほか、端末代の月割り支払いが完了していない場合は残金の支払いは必要になります。

日割りで月額料金がかかることを考えるといち早く解約手続をしたくなりますが、スマホ等の解約は「デジタル遺品の全容がある程度つかめてから」が鉄則です。

葬儀前に解約すると故人の縁者からの電話やチャット、SMS(ショートメッセージサービス)などが受け取れなくなりますし、コード決済サービスの残高の確認やクラウドにあるバックアップデータの把握に支障が出ることも考えられるためです。