ノイジー・マイノリティーと陰謀論

SNSでは、検索履歴などから似たような情報が流れるようになり、「フィルターバブル」というように、特定の考え方に偏り孤立しがちです。さらに、SNS等で同じような考えを寄せ集め、あたかもそれが普遍の正義だと思い込む「エコーチェンバー現象」に陥ることもります。

しかし、そこで中心となっている人々は、「ノイジー・マイノリティー」という、声が大きいだけの少数派という可能性もあります。

それを信じてしまうと、「ワクチンは人口削減計画」だとか、「アメリカのトランプ前大統領は光の戦士だ」というような、いわゆる陰謀論にハマってしまうのです。

フェイクニュースの文字
写真=iStock.com/Arkadiusz Warguła
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また、その逆に、「マスク警察」「ワクチンハラスメント」「私人逮捕系ユーチューバー」のように、自分が正義であると信じて暴走する人まで出てきている現状です。

空気に流されないように自分で意思決定の軸を持つ

陰謀論にハマる人、「○○警察」になる人を否定するわけではありません。なぜなら、本当に危機感を持つべきなのは「自分の考えを持たない人」だからです。

社会の空気に流されている人はもちろんのこと、とくにZ世代は、「空気そのもの」になっていると感じます。

コロナ禍で、自分の意志を持ってマスクをしていた人、あるいはしていなかった人、ワクチンを打った人、打たなかった人はどれぐらいいるでしょうか? 8割の人が「みんながしているから」と、なんとなくの空気で行動していたのではないでしょうか。

「空気に流されるな!」と言いたいのでもありません。「自分は、自分の意志で空気になっている」と自覚してほしいのです。

空気になるのが悪いのではなくて、たくさんある選択肢の中から自分は「空気になる」という選択をする、との意識をしっかり持つことが大事なのです。

空気をなめると痛い目に遭います。空気は毒ガスにもなるのですから、世の中の空気が毒ガスだったら、自分も毒になってしまいます。