新NISAの積立投資を活用する
準備したい資金の目安からお話ししましたが、その資金の準備は新NISAの「つみたて投資枠」を利用して進めていきましょう。金融庁のHPにある「資産運用シミュレーション(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/moneyplan_sim/index.html)」を使うと、目標金額を作るには何年間、毎月いくら積み立てればいいかなどを試算することができます。ぜひ活用してみましょう。
なぜ新NISAでの積立投資がオススメかというと、長期的な資金作りには、投資信託のように値動きするものを毎月定額で投資していくこと(つまり積立投資)が有効だからです。値動きがあるから価格が低迷することもありますが、定額での投資であれば安いときには口数を多く買うことができます。逆に、高い時には少ない口数しか買えないため、平均購入単価が低くなるという効果があります。それにより、リスクを抑えての投資ができ、将来の値上がりで増やすことが期待できるわけです。
また、新NISAのメリットである運用益(分配金や値上がり益)が非課税というのも、資金作りの大きな助けとなります。運用益の約20%が税金として引かれるのと手元に残るのでは、長期間での増え方にも影響していきます。
「分散投資」が鉄則
NISA口座をどこで作ったらいいかや、積み立てる投資信託の選び方は「新NISA『窓口で相談したいから銀行で』は危険すぎる…バブル崩壊を経験した専門家から投資初心者への助言」に詳しく触れていますが、様々な運用対象を組み合わせる「分散投資」を心がけるのが鉄則です。最初に選ぶなら、国内外の幅広い市場に分散投資できる「バランスファンド」が適しているでしょう。
新NISAで積み立てた資金は、もし老後までに使いたいことができた場合にも活用できます。柔軟な資金プランに対応できるといえるでしょう。
同じように投資信託で積立を行う仕組みに「iDeCo(=イデコ、個人型確定拠出年金)」もあります。こちらは老後資金作り専用といえ、60歳まで払い出すことができません。けれども、運用益が非課税というだけでなく、働いている間の所得税・住民税の節税もできるなど、税制メリットが大きくなっています。所得税がかからないようパート収入を抑えている場合には節税効果はありませんが、離婚に備えて収入アップを図るとなればメリットも生じます。老後資金準備に、新NISAとあわせて利用を検討してもいいでしょう。