「感想をひと言お願いします」と言われて慌てないために
プレゼンといっても、いつも目の前に原稿やスライドがあるとは限りません。例えば、セミナーや会議で、「おひとり30秒で自己紹介してください」とか、「感想をひと言お願いします」と言われたりすることがあります。このとき、準備をしていなくて慌てることもあるでしょう。
そこで、用意しておくといいのが、時間別の「型」です。先ほど紹介した「脳内弁当箱」の中身を持ち時間別に変えるのです。持ち時間が10秒なら、説明するのはご飯だけ。持ち時間が90秒なら、ご飯と焼き魚と野菜を説明するというイメージです。
何かを提案する場合は、「問題提起」「結論」「具体的な事実と理由」の順で説明しますが、持ち時間が10秒ならば、「問題提起」をして、「結論」をズバリひと言で説明します。90秒なら「問題提起」と「結論」に加えて、「具体例」を1つ挙げて説明すると、ちょうどいいでしょう。
短い時間で全部の内容をわかってもらおうと考えない
例えば、次のような特徴を持った調理器具を説明する場合で考えてみましょう。
「スイッチがたった1つの、余計な機能がついていないシンプルな調理器具。内鍋に材料と調味料をセットしてスイッチを押すだけで調理できる。煮物は吹きこぼれる心配なし。鍋が調理している間、あなたは仕事や他の家事をすることができる」
これを10秒で説明するなら「限られた時間を効率よく過ごしたい。そんなあなたを料理の時間から解放するワンタッチ万能調理器具です」というように、問題提起をして、結論をひと言でまとめます。
90秒で説明するなら、「限られた時間を効率よく過ごしたいと思いませんか。これは、そんなあなたを料理の時間から解放するワンタッチ万能調理器具です。例えば、煮魚を作るなら、鍋に魚と調味料をセットしてスイッチを入れ、あとは出来上がりを待つだけです。吹きこぼれる心配も、焦げつく心配もありません。だから、あなたはずっと鍋のそばについている必要がありません」のように、具体例を1つ挙げて説明します。
短い時間で説明する場合は、全部の内容を相手にわかってもらおうとしないことです。要点のみを伝え、相手から「続きを聞きたい」と思ってもらうことをゴールにしましょう。