借金の存在を知ったのは韓国での試合後

では、大谷はどんな弁明をしたのかを見てみたい。

3月26日早朝(日本時間)、大谷はドジャース球団の通訳と2人で現れた。やや緊張気味で笑みはなかったが、話す言葉に震えはなかった。

あいさつの後、いきなりこう話しだした。

「まず初めに、僕自身は何かに賭けたりとか、誰かに代わってスポーツイベントに賭けたり、それを頼んだりということもないですし、僕の口座からブックメーカーに対して、誰かに送金を依頼したことなどは全くありません。

数日前まで、彼(水原一平=筆者注)がそういうことをしていたというのもまったく知りませんでした。彼が僕の口座からお金を盗んで、なおかつ皆に嘘をついていたというのが、結論から言うとそういうことになります」

これまで報じられた疑惑を全否定してみせたのである。

水原氏が賭博で借金を作ったことを知ったのは、韓国で対パドレス初戦後のミーティングの場だったという。

「僕がこのギャンブルに関しての問題を初めて知ったのは、韓国の第1戦が終わった後のチームミーティングです。そのミーティングで彼は英語で全て話していたので、僕に通訳はついておらず、完全には理解できていなくて、何となくこういう内容だろうなと理解していましたが、なんとなく違和感を感じていました」

「ショックという言葉では表せない」

それまで大谷は、水原氏がギャンブル依存症であることも知らなかったという。ミーティングの後、水原氏は大谷にホテルの部屋で2人で話そうといったそうだ。

「試合後、ホテルに戻って一平さんと初めて話をして、彼に巨額の借金があることをその時知りました。彼はその時、僕の口座に勝手にアクセスし、ブックメーカーに送金していたと僕に伝えました。

僕はやっぱりこれはおかしいなと思い、代理人たちを呼んで、そこで話し合いました。話が終わって、代理人も彼に嘘をつかれていたと初めて知り、ドジャースの皆さんと、弁護士に連絡しました。彼らも初めて嘘をつかれていたとその時に知りました。弁護士の人からは、窃盗と詐欺で警察の当局に引き渡すと話をされました。

これがそこまでの流れ。僕はもちろんスポーツ賭博に関与していないですし、送金をしていた事実はまったくありません」

大谷はここで、「ショックという言葉では表せない」と、その話を聞いたときの衝撃の大きさを語った。