「新たな疑惑」で風向きは一変する

捜査を行う警察当局やMLB側は、大谷選手のイメージがどうというのは関係なく、大谷選手の関与も含めて、あらゆる可能性を想定して事実がどうであったかを客観的、中立的に調べることになる。

大谷選手側の声明に矛盾する事実が発覚したり、新たな疑惑が出てきたりすると、世論が一瞬にして反転してしまう可能性もある。まさに、水原一平氏が直面したのと同じことが、大谷選手の身にも起こってしまうことになりかねないのだ。

誰もが賞賛するスーパースターで、イメージも良い好青年からこそ、多くの企業が多額のお金を費やして大谷選手と広告契約をしているのだ。何かが起きると、一気に風向きが打ち切りへと変わってしまいかねない。

「契約満了」は便利な言い訳になる

三菱UFJ銀行の一部のウェブCM動画が非公開になった話題に戻すが、これは本当に「契約満了」によるものなのかという疑問は拭えない。

結論から言うと、契約満了の可能性もあるが、今回の事件による影響の可能性も少なからずあると思う。

出演タレントに不祥事が起きた後の広告の取り下げに対して、「契約期間の終了により」という説明なされることは少なからずある。

契約内容は、当事者と契約主体の法務担当くらいしか知り得ない(第三者が知り得たら問題になる)。したがって、この説明が正しいか否かは、メディアも一般人も知りようがない。メディアから追及されても「個別の契約内容については答えられない」と答えれば済む話だ。

つまり、不祥事を起こしたタレントの広告契約を終了する際に、「契約の終了」は批判を回避するための便利な言い訳になるのだ。これはウソだとしても、タレントを含めて、誰も傷つけないためのウソであるから、それを責めることが適切とも言えないだろう。

一方で、契約終了のタイミングで、たまたまタレントが不祥事を起こしてしまうということも実際に起こる。

筆者が体験した事例でも、あるタレントが広告契約を終了することになっていたが、その直後にちょっとした(広告を取り下げるほどでもない)トラブルに巻き込まれたことがあった。「契約終了はタレントのトラブルによるものではないか?」という憶測を生み、企業やタレントが叩かれるのではないか――という懸念が生じてしまった。