「最悪」は考え方を変えるチャンス

「正しく」というのは、「反省」のこと。「人のため」というのは、そう簡単にできるものではありません。私たちの肉体や本能は、もともと「自分中心」です。放っておくと「自分のため」に戻ってしまい、怠けてしまうのです。

日々の反省と精神の力によって、「自分中心」よりも「人のため」を優位にしていきましょう。ポイントは、ほんの1%だけ優位であればいいということ。これを1日、1週間、1カ月、1年と継続していけば、大きな実りとなります。

また、結果が望ましくないときは、必ず考え方が間違っているということ。考え方さえ変われば、あらゆる「つながり」が生かされていく。考え方を変える絶好のチャンスだという点で、最悪こそがむしろ最高だということもお伝えします。

「仲良く」というのは、「調和」のことです。目の前の現実を拒むことは、不調和をもたらします。すべてを最高だと引き受けて、感謝し、突き進んでいく人こそ、ロマンやビジョンを実現できるのだと思います。

良いことも、悪いことも、すべて最高のことが起こっています。なぜなら、すべてはエネルギーの流れと、過去の原因によって起こっているから。

嫌なことが起きたときこそ、むしろ感謝すべきです。それは過去のあなたの行いの結果であり、その原因となる「間違った考え方」を正し、成長していくチャンスなのですから。

嫌なことが起きたときに「自分を変えていくチャンスだ」「ありがたいな」と思えるようになれば、最高です。

「努力」で競合のいない領域まで進化した

サイゼリヤは、生産性が高い企業と評されることがあります。そうなった理由は、「秩序」を保つための「努力」をしてきたからです。

「秩序」には2つの側面があります。1つ目は、決まりをつくって自由を制約し、ムリ・ムラ・ムダが生じないようにすること。本当の自由とは、自由の制約の中にこそあるのです。

もう1つは、シンプル化によって努力の対象を絞り込み、少ない労力で大きな成果が得られるようにすること。一点集中をすることによって、競合がいない領域にまで進化していくことができます。

組織や人間は放っておくと、野菜と同じように腐ってしまいます。「人のため」を貫くには、「反省」だけでなく、「努力」も必要なのです。