子ども時代から満たされなかった「欲求」

「選択理論心理学」は、すべての行動は自らの選択で決まるという考えに基づいています。それぞれの欲求に対する強さやバランスを知ることは、自分を理解することにつながると考えられていて、欲求のレベルはテストで計測できます。カウンセリングで必ず行うわけではありませんが、Aさんは自分がどう生きたいかを知ることが大切だと考え、テストを受けてもらったのです。

その結果、最も強かった欲求は「愛、所属の欲求」。子ども時代からこの欲求が満たされていないことに気づき、今の自分には新しい出会いやつながりを作っていくことのほうが大切だと感じたのです。

カウンセリングから半年。見違えるほど元気になったAさんは、以前から興味のあった資格の勉強も開始。「これからは円満に離婚ができるように、弁護士の先生に相談していきます」とおっしゃり、私のカウンセリングは終了となりました。

浮気された妻に共通する「思考のクセ」

離婚問題がきっかけでカウンセリングを受ける人は少なくありません。女性だけでなく、男性のクライアントもいます。

一概には言えませんが、離婚で苦しむ人の傾向として自己肯定感の低さを感じます。自分の価値を相手からの愛情や承認でしかはかれず、そのため依存や束縛につながってしまう。または自分には価値がないという思い込みから、相手の言動をすべて悪いほうに捉えてしまう。

それに息苦しさを感じたパートナーが離れたいと考えるようになる。時には外に癒やしや開放感を求めて不倫してしまうというケースもあります(もちろん、そういう行動に出てしまうパートナーも心の問題を抱えている可能性がありそうです)。

またAさんのようにありのままの自分を出せないために、自分の感情や思いをうまく伝えられない人も少なくありません。夫婦間のコミュニケーション不足が積み重なった結果、離婚という選択を迫られてしまうこともあります。

もし、今、夫婦の問題で悩んでいる場合、まずはやり直したいのか、別れたいのかを決めていくことになります。どんな選択をするにしても、まずは自分の状態を整えましょう。整った状態でない時は、間違った選択をしてしまいがちです。

落ち着いて状況を俯瞰ふかんできるようになると、2人にとって何がいちばん必要なのかを判断できるようになります。「5つの基本的欲求」で最も重視していることを知ることで、どうしたらお互いの欲求を満たしてうまくやっていけるかを考えてみるのもおすすめです。

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