サポートを提供できる職場環境づくりも大切
皮膚症状は時に、容姿にも関わりますし、患者自身の心理的負担が働きづらさに繋がることもあります。働くことに影響が出るような状況の場合には、就労者は労働契約や就業規則の下、働き方を工夫したり、経済面において社会的資源を活用したりできると良いでしょう。
コロナ禍をきっかけに、昨今ではオンライン診療を提供している病院も増えています。皮膚科診療では、肌の異変(症状)を見てどんな病気かを判断することが重要ですが、触診や検査の必要がない、継続したお薬の処方などの場合に活用できると良いでしょう。子育てや仕事が忙しく通院が難しい、出張先で薬がなくなった、そんな就労世代の継続した治療の一助となるはずです。あらかじめ患部の画像を送り診察する仕組みを導入しているケースもあるようです。
生活の質(QOL)の維持・向上に使えるツールをぜひ活用していただきたいと思います。
また、支援する側においては、事業者の関係者(事業者、人事労務担当者、上司や同僚、産業保健スタッフなど)や医療機関関係者(主治医、看護師など)、地域の支援機関が必要に応じて連携することが重要です。
労働者の働きやすさは生産性の向上にも繋がります。両立支援のガイドラインや、厚労省のサイトにある「両立支援の取組事例」などの情報を活用して、体の不調によって働きづらさを感じている方々に周囲の理解やサポートを提供できる職場環境づくりができると良いでしょう。