酪酸菌を増やす食物繊維が花粉症を防ぐ
現在、スーパーマーケットにはさまざまな食材が溢れています。たとえ珍しい食材でも、ネット販売で翌日に手に入れるこができるようになりました。東京、大阪などの大都市では、無数のレストランがあり、さまざまな国の料理を簡単に食べることができます。
私たちは「食べたいもの」を好きなだけ食べる生活をしていますが、果たして、嗜好性にまかせて食事をしていていいのでしょうか。
糖質は血糖値を上げ、脳からドーパミンやセロトニンが出ることによって中毒になります。当然、人々は糖質をたくさん含んだ食品を好みます。塩分が多いと味が濃くなります。人は味の濃い食べ物のほうを好み、塩分中毒になります。糖質を多く含んだ精米、ふすまを取り除いた小麦粉、不純物を取り除いた砂糖など90の糖質過多食品には、ビタミンとミネラルがほとんどないだけでなく、食物繊維もほとんど含まれません。
そもそも、これらの農業が育種した穀類はたとえ全粒で食べたとしても、酪酸菌を増やす食物繊維をほとんど含んでいません。なぜなら、これらの穀類はでんぷんを貯蔵物質として保存します。でんぷんと同じように酪酸菌を増やすフラクトオリゴ糖も植物の貯蔵物質です。でんぷんを貯蔵物質とする植物はフラクトオリゴ糖をほとんど作らないのです。
酪酸菌を増やす食物繊維は、根菜類や葉物野菜に含まれています。私たちの祖先は、新石器時代以前には根菜類、野草、海藻、小動物、魚介類、木の実を食べて生活していました。新石器時代以前の食事には、酪酸菌を増やす食物繊維が大量に含まれていたのです。
人類が創ってきた農業と食文化が、大腸の酪酸菌を減らす一つの原因になってきました。そして、現代人の食の嗜好性もそれを加速させています。