<子供が無事に育ち、充実したその後の人生を送るには、5歳、10歳、15歳の節目までに知っておくべき知識とスキルがある:ルーシー・ノタラントニーオ>
空港の出発ホールに座ってテディベアを持ち、携帯電話で満足そうに遊ぶ少女
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人の子の親ともなれば、時には話しにくいことも子供に伝えなくてはならない。「知らない人には用心しなさい」とか、「赤ちゃんはどうやって生まれてくるのか」とか。でも、それだけじゃない。年齢に応じて、子供に教えておきたいことはたくさんある。

子供は日々、何か新しいことを学んでいく。そんなわが子が巣立つ日まで、必死で支えてやるのが親の役目。しかし2019年にミシガン大学の小児科病院が行った「子供の健康に関する全米調査」によると、わが子が大人になるために必要なことはきちんと教えていると答えた親は全体(回答総数2032人)の63%にとどまった。

また10代の少年少女には、時に間違ったことをする経験も必要とされるのだが、そうした認識を持っている親は全体の52%にすぎなかったという。

そこで本誌は子育ての専門家3人に、子供の社会的成長の節目となる5歳、10歳、15歳までに教えておきたい大事な(そして最低限の)スキルは何かを聞いた。

■まず5歳までに

秋になって義務教育(1年制のキンダーガーテン)が始まる前に、自分の姓と名、親の名前、自宅の住所、緊急時にかける電話番号だけは覚えさせたい。そう語ったのは、育児を専門とする児童心理学者のケイトリン・スレイブンス。子供が3~4歳になったら、緊急事態とはどんなもので、どうすれば警察に電話できるかも教えておきたいという。

誰かがけがをしたり、危険な状態にある場合にどうすればいいかを子供が理解し、実践できるようにするには、そういう事態の「ごっこ遊び」をしてあげるといい(子供が忘れてしまうといけないから何度でも繰り返して!)。

5歳からの学校は社会生活の始まりだから、それまでに「知らない人は危険かも」ということを理解させたい。たとえ知っている人でも信用できるとは限らず、悪くすればだまされることもある。近所の人や親戚の人も例外ではない。

「大事なのは、自分を操ったり欺いたり、利用したりするような行動に気付く能力を身に付けさせること」だと、スレイブンスは言う。

「どんな人も、子供にとっての脅威となり得る。しかも多くの調査によれば、子供の場合は、知っている人から危害を加えられることが多い。子供のパーソナルスペースに勝手に入り込んだり、『親には内緒だよ』と念を押すような人は信じちゃ駄目。それくらいは教えておきたい」

「子供を怖がらせるような言い方はよくない。でも(相手がいい人かどうかは)自分の直感を信じて判断し、行動するよう励ますのが大事だ」