きっちり16時間計って勉強し続けたら成績はすぐ伸びた

厳密な勉強時間を「16時間」に近づけなければ、私は医学部に合格できない。

そう思い、毎日、ストップウォッチを使いながら勉強し、余計なことをしている時間を少しずつ、削ぎ落としていきました。「16時間」の勉強濃度を高めていったのです。

変化はすぐに表れました。

成績はぐんぐんと伸び、浪人生活を始めてから3カ月目の6月にはもう、首都圏の国立大医学部を射程圏に入れられるところまで上り詰めることができたのです。

ただ、ここから、私の中に根付いている「凡人気質」「怠け者気質」が再び顔を出します。

「たった3カ月でここまで上がってこられたのだから、もうそんなに勉強を根詰めなくても大丈夫だろう」と安心しきり、Nintendo Switchのゲーム「スプラトゥーン2」にハマる生活を送り始めてしまったのです。

当然、成績は急下降。視野に入れていたはずの首都圏国立大は遥か彼方に遠ざかり、父親の実家が近いという不思議な縁のある島根大学の医学部になんとか滑り込むことになります。

私のだらしなさゆえ、少々締まらないオチになってしまいましたが、「自分では16時間勉強していると思っていても、実際には8時間しか勉強していなかったと知った」「実際の勉強時間を16時間に近づけることで、成績がぐんぐん伸びた」という2つの経験は、私の人生に大きな気づきをもたらしました。

パソコンを使用する人と時計
写真=iStock.com/ieferpix
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「努力しているふり」を本当の努力に変える

「1日16時間勉強している」と思い込んでいた時期の私は、はっきりいえば「努力しているふりをしているだけ」でした。もちろん自分では、「努力しているふりをしている」なんて自覚はありませんが、実際には8時間しか勉強していないのに「16時間勉強している」と言っているわけですから、「努力しているふり」以外の何物でもないでしょう。

しかしストップウォッチを活用し、「16時間」の中の勉強濃度、いわば「努力の濃度」を高めたことで、成績はみるみる上がっていきました。

「努力しているふり」を、実際の「努力」へと変えて、医学部入学という「求めた結果」を得た成功体験は、「努力の数値化」という考え方を築く上で、とても大切な源泉となってくれました。