「先生に叩き起こされた」は暴行罪

のりちゃん 学生のとき、授業中に寝てたら先生に叩き起こされたことがあったんですよ!
岡野タケシ 昔はそういうのよくあったなあ。
のりちゃん 今考えると、あれって犯罪だったんじゃないですか⁉
岡野タケシ 犯罪になるかどうかは状況によるから、ちょっと考えてみよか。

たとえ居眠りしている生徒を起こすためでも、教員が生徒を叩いたら基本的に暴行罪になる。

ただし、例外的に暴行罪にならないケースが2つある。

1つ目は、生徒が叩かれることに同意している場合。

たとえば、生徒が「もし授業中に寝てたら叩いてでも起こしてください!」と先生にお願いしていたら、生徒は叩かれることに同意していることになるので、基本的にセーフになる。

机の上に伏せる男の子
写真=iStock.com/takasuu
「先生に叩き起こされた」は暴行罪(※写真はイメージです)

体罰は指導でもアウト

2つ目は、先生の正当な業務と言える場合。

刑法35条では、「正当な業務による行為は罰しない」と規定されている。

たとえば、遠足で行った雪山で遭難し、生徒が今にも寝てしまいそうな場合は、叩き起こしてもセーフになる。生徒の命を守るためにやむを得ずに叩き起こしたと言えるからね。

ちなみに、学校教育法第11条では、教育上の必要があるなら、先生が指導の一環として生徒に罰を与えてもよいとされている。

けど、体罰は指導でもアウト。昔のりちゃんがされたみたいに、先生が授業中の居眠りの罰として生徒を叩き起こすのは、体罰とみなされてアウトになるやろね。

あっ、のりちゃん寝てるやんけ! かなんな〜! ……疲れてるやろし、毛布でもかけてあげよかな。