原因を探っても解決はしない
ついついケンカになるという夫婦に対し、私が使う方法は、「ソリューション・フォーカスト・アプローチ(SFA)」と言われる方法です(「解決志向アプローチ」などと訳されます)。
私たちは一般に、夫婦ゲンカの相談を受けると、その「原因」を探ろうとします。
「いったい、いつからそんなふうになってしまったのでしょう?」
「何が原因でそうなってしまったのですか?」
「何が原因でそうなってしまったのですか?」
それは「問題の原因を突き止め、それを除去すれば、問題は解決するはずだ」と考えるからです。
しかし、実際にはどうでしょう。
問題の「原因」(例:夫が内緒で大事なこともひとりで決める)を突き止めて、それを解決しようとして、うまくいくことがあるでしょうか。
多くの場合、言われたほうは「責められている」と考えて、関係がさらに悪化するだけではないでしょうか。「原因探し」は「犯人探し」につながります。そして「犯人」に仕立てられた側は、「責められている」と感じて、意固地になってしまいます。責められるのを回避して口を閉ざすか、言いあいになってしまいがちです。
「例外的にうまくいっているとき」を探る
ソリューション・フォーカスト・アプローチでは、原因を探すとますます問題に絡めとられてしまうため、「問題の原因探しをするのは、解決を遠ざけてしまう」と考えます。
では、どうするのかというと、このアプローチでは「例外的にうまくいっているとき」を見つけるための質問をします。