「学習性無力感」の恐ろしさ

「学習性無力感」という言葉があります。

これは、アメリカの心理学者マーティン・セリグマン博士が1967年に発表した理論で、抵抗することも逃げることもできない状況に長期間さらされると、そうした不快な状況から逃れようという行動すらしなくなるという理論です。

セリングマン博士は、この論を発表するにあたり、次のような実験をしました。

まず、電気ショックの流れる部屋に2匹の犬を入れます。1匹にはスイッチを押すと電流が止まる仕掛けを施します。そしてもう1匹は、何をしても電流が止まらない環境に置きます。

その結果、スイッチを押せば電流が止まるということを学習した犬は、スイッチを積極的に押すようになりました。

一方、スイッチを切る方法を与えなかった犬は、最終的に電気ショックを受けても、何の抵抗もしなくなってしまいました。

これが「学習性無力感」です。

自分が何をやっても結果が変わらないということを学習すると、どんな状況に対しても行動を起こさなくなってしまうのです。

日本のサラリーマンにはチャンスがある

まさに日本の多くのサラリーマンは、働いても働いても楽にならない石川啄木のような状況(※)に置かれて、「学習性無力感」から脱け出せずにいるのではないでしょうか。

上岡正明『MBA保有の脳科学者が教える 年収1億円の人になる「強運脳」』(宝島社)
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しかし、「できない理由」なんて、数え上げればいくらでもあるのです。

ですから「できない理由」を考えるのではなく、とにかく年収を上げるための行動を起こすことが、今のあなたには何より大切なのです。

逆を言えば、それはあなたにとってのチャンスなのです。まだこれから年収を増やしていく「伸び代」があるということですから。

このようなポジティブなスタンスで、まずは仕事の年収3000万円に到達するための方法について考えていきましょう。

(※)石川啄木の歌集『一握の砂』で詠まれた一首「はたらけどはたらけど猶(なお)わが生活(くらし)楽にならざりぢっと手を見る」より

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