仕事のできる人はビジネス文書を書くときにどんな工夫をしているのか。クロスリバー代表の越川慎司さんは「一流のビジネスマンは音声入力を利用している。調査によれば、平均的なサラリーマンの利用率が0.4%だったのに対し、人事評価トップ5%の社員は23.2%も利用していた。入力中には両手が空くため、同時にほかの作業を進めることもできる」という――。(第4回)
※本稿は、越川慎司『時短の一流、二流、三流』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。
トップ社員は音声入力を利用している
文字入力の方法一つ取っても、効率と成果に差がつきます。スマホでフリック入力を活用する人が増えています。片手で素早く文字入力ができるので、たしかに便利です。しかし、大量の文章を入力するのは難しく、画面の小さなスマホでの処理は疲労度が高く、長時間の作業は困難です。
長文の入力や書類作成の効率を上げるために、ブラインドタッチをマスターしようとしている人も多いのではないでしょうか。しかし、タブレットなどのタッチスクリーン端末では効果を発揮できなかったり、ショートカットキーなどの特殊キーを頻繁に使用する作業では、十分な効果をもたらさないことがあります。状況に応じて入力方法を使い分けた方が、時短効果は上がります。
一流が着目していたのは、音声入力です。まだ普及はしていませんが、フリック入力やキーボード入力の補完的な方法として音声入力を試していたのです。2.3万人のビジネスパーソンを対象にした調査では、音声入力を使用したことがある人はたった0.4%しかいませんでした。一方、各企業の人事評価トップ5%社員に同じ質問を投げかけると、音声入力の経験者は23.2%もいました。58倍の比率で使っていたのです。さらに、音声入力を週に1回以上使う人の比率は、一般社員の72倍でした。