過去ではなく、未来に目を向けた声かけをする

子どもを叱るときには、過去ではなく未来に意識を向けましょう。「次に同じことをくり返さないために、できることは何か」を、親が一方的に決めて言い聞かせるのではなく、子どもに考えさせるようにするのです。

子どもに考えさせることによって、「親が何か言っている」という受け身の姿勢から、「自分がどうにかしないといけない」と主体的に受け止めて考えるようになります。

とはいえ、子どもが出してくる改善案は、大人からすると無理があると感じることが多いです。それでも、「それは無理があるでしょ」と思ったままを口に出さずに、まずは「なるほどね」と受け止めましょう。そのうえで、「こうするともっと良さそうじゃない?」と提案してみましょう。

大人でも、自分で考えて腑に落ちたことでないと、これまでの行動を変えるにはなかなか至らないですよね。子どもも同じです。過去ではなく未来に意識を向け、親主体ではなく、子ども主体で改善策を考えさせてみましょう。

過去、現在、未来と書かれた付箋のイメージ
写真=iStock.com/marekuliasz
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「そういう考えだからダメなの!」は可能性を狭める

NG2 価値観を否定する叱り方

子どもの価値観を否定する叱り方も避けたいです。ここでいう価値観とは、「物事のとらえ方、どんなことに重きを置くかという考え方」のことです。小学生ともなれば、もう、その子なりの価値観を持つようになってきますよね。

血のつながったわが子であっても、親子の価値観にはギャップがあります。生まれた時代も親子で異なりますし、当然のことです。それなのに「そういう考えだからダメなの!」なんて言ってしまうと、その子の可能性を狭めてしまいかねません。

時代ごとに価値観が180度変わることは、歴史が証明しています。前の時代で「善」とされていたことが、次の時代では「悪」になり得るのです。わが子が大人になる頃には、今の多くの常識的な価値観は、きっと非常識なものになっていることでしょう。親自身が、自らの価値観を絶対的なものだと思わないほうがいいです。