コストカットは会社が生き残ろうとしている努力の表れ
そもそも、観葉植物が枯れたり、掃除が行き届かなくなるなどの変化は、何を示唆しているのでしょうか。もちろん、会社にお金がなくなり、余裕がなくなってきている証拠と見ることもできます。
しかしながら、裏を返して考えると、コストカットをするということは経営者自体はまだ会社の存続を諦めていないということでもあります。つまり、これらの変化は、会社がコスト削減を図り、生き残りをかけている可能性があるわけです。言い換えれば、これらのシグナルは倒産の前触れではなく、会社が逆境に立ち向かい、生き残るための努力の表れであるとも解釈できる、ということになります。
「じたばた」できる経営者は生き残れる
経営者の自家用車が変わる、なんていうのもよく言われるシグナルです。例えば、これまで外車を乗り回し、「外車でなければ、車とは言えない」と豪語していた経営者が、突然国産の中古車に乗り換える。一般的に見れば、「羽振りが悪くなった」、「経営の先行きが怪しい」と見ることができますが、前述のとおり再起をかけて車を買い替えている可能性もあるわけです。
車の話をすれば、外車というのは銀行などの金融機関からは「贅沢」「無駄な出費」と見られがち。国産車だと堅実。そういう固定観念があります。もし、この経営者が自身のプライドを捨て、金融機関からの借り入れを嘆願するために車を買い替えたとしたらどうでしょう。もしかしたら、その企業は案外しぶとく生き残る可能性を持っているのかもしれません。
事実、最終的に経営を継続させることのできる経営者は、体裁を気にすることなく「じたばた」できる人です。観葉植物や清掃、福利厚生などは、会社の危機に際した時にはただの贅沢品であり、無駄です。でも、見栄やプライドがあるとこうした無駄な出費もカットできないもの。だから、最終的に突然潰れる時には、シグナルが見えにくいのです。