※本稿は、大谷義夫『1日1万歩を続けなさい』(ダイヤモンド社)の一部を再編集したものです。
ウォーキングこそ「最強の運動」である
生きているといろいろなことが起こりますよね。
それを乗り越えるには体調管理が重要なことは言うまでもありません。
そのためには運動が必要。
でも「運動は体にいい」と頭ではわかっておきながら、忙しくて時間がないとおっしゃる方は多いと思います。
私は論文マニアなので、このたびさまざまな論文を読んでみたのですが、その結果、ウォーキングが最強の運動であることに気がつきました。
ウォーキングは、風邪(※1)やメタボ(※2)、生活習慣病(※2)のみならず、ストレスや不眠、うつ(※3、4、5)、不安、さらには自律神経に関連した更年期の不調(※6)、認知症の予防(※7、8)や認知機能の改善(※9)といった脳の領域、さらにはがん(※10)や感染症(※11)といった内科の病気にも効果があり、死亡率を下げる(※12)こともわかりました。
これは忙しさで後回しにするにはあまりにも惜しい運動です。
その他、中でも私が最も驚いたのは「ウォーキングは創造性を豊かにする」ということです(※13)。
私の小学校時代からの親友も、朝のウォーキングで仕事のアイデアを出せるようになったと言っていますが、ウォーキングを始めれば体や心の不調が改善するのみならず、さまざまなアイデアが頭に浮かび創造性が増すことを実感いただけると確信します。
「1日1万歩」を目指すべき理由
ただそういう私も数年前までは、ウォーキングを軽視していたかもしれません。
高齢者はウォーキングが負荷的にも適切かもしれませんが、私はまだまだフィットネスで泳いで、筋トレすべきと考えていたのです。
暗闇ボクシングにはまったときも激しい運動が快感で、楽しくフィットネスを続けていました。
しかしコロナ禍を契機にウォーキングに変更すると、それ以上に楽しく充実したウォーキングライフが待っていました。
しかも、それまで行っていた糖質制限をやめたにもかかわらず3kg痩せることができたのです。
論文を読むと1日1万歩で死亡率がおよそ最大に下がることから、ウォーキングは「1日1万歩」を目指していただきたいと思うのですが、まずは「とにかく始める」「できるだけ毎日続ける」をお願いしたいと思います。
休日にはウォーキングシューズを用意して、一気に頑張っていただくのもいいのですが、ウォーキングはできるだけ毎日続けることが大事。
こだわり過ぎも不要です。
私も平日は革靴やサンダル、診療着であるスクラブを着て、「朝2000歩」「昼3000歩」「診療後2000歩」「夕食後4000歩」の細切れウォーキングを続けています。