病院を選ぶ際は、何に気をつければいいか。医師の和田秀樹さんは「病院のホームページで治療実績を確認するなどして、ある程度の目星をつけたら、実際に足を運ぶ前に、まず電話を一本かけてみることだ。『予約は必要か』『空いているのは何時ごろか』など質問し、もし対応がぞんざいだったら、その病院はやる気がないか、あるいは人手不足で丁寧に電話対応できる状態ではないということだろう」という――。
※本稿は、和田秀樹『老いたら好きに生きる』(毎日新聞出版)の一部を再編集したものです。
病気や不安に襲われないためにすべきこと
高齢になると先々のことを考え、不安に襲われることが増えていきます。先の不安に振り回されるよりは、ソリューション(問題解決法)についての情報を集めることが、不安解消の早道だと私は考えます。
たとえば、がんの不安からがん検診を受ける人はたくさんいますが、いざがんが見つかった際に、どこの病院で、どのような治療を受けるかまで下調べして臨む人は少ないでしょう。
高齢者のがんの手術に関していえば、体力を落とさないために、がんだけ切って周りの臓器は切らないという方法を選択し、執刀医に依頼するという手もないわけではありません。
しかし、そうした希望を叶えてくれる病院は事前に探しておかないとまず見つからないでしょう。検診で、がんを見つけた病院で治療をすすめられ、そのまま不本意な治療を受けることが多いのが現状です。
がんが見つかった際のソリューションをある程度決めておけば、不本意な医療を強制されるリスクは大幅に下がるはずです。
病院を決める際は、まず各病院のホームページで「治療実績」(過去1年間の手術件数など)から、がんをはじめ各病気の治療経験を調べます。これは大事なことなので、パソコンが苦手な場合は、家族や友人らに手伝ってもらいましょう。
最近では、多くの病院がホームページで「手術件数」を公表していて、数が多い病院ほど、その手術に習熟しているといえます。