血圧170でコントロールすると心不全に

あれこれと薬を試してもなかなか血糖値が下がらなかったのですが、スクワットで下がるという本を見つけ、下肢の筋肉をつけるのが一番と知り、それまでほとんど歩きませんでしたが、1日30~60分は歩くようにしたら、ヘモグロビンA1cの値が9~10%、早朝血糖値は300mg/dlを切るくらいまで下がりました。

通常ならもっと下げろと言われるところですが、自分の信念もあり、また、喉が渇かなくなったので、現在はこのくらいの数値でコントロールしています。

血圧のほうは10年来、たまに測ると上の血圧が200mmHgを超えているのは気づいていましたが、血圧が高いほうが頭がえているので放っておきました。

ところが、やはり同級生がやっているクリニックで心臓ドックを受けると、冠動脈は何でもなかったのに、心筋の肥大が激しいと言われました。

血圧が高いのを放っておくと心臓が常に激しい運動をしていることになるので、筋肉が分厚くなってくる。すると心臓の血を溜めておく部分が狭くなるので、最終的には心不全といわれるポンプ機能不足の状態に陥ってしまう。ちょっと歩いただけで息が切れるというわけです。

それではまずいので、やはり薬で血圧を下げることにしましたが、正常値まで下げると頭がフラフラするので、今は170くらいでコントロールしています。

それで大丈夫と思っていたら、1年ほど前に飛行機から降りると激しい喘鳴ぜんめい(編集部注:呼吸をするときに「ヒューヒュー」「ゼーゼー」など音がすること)がしたのです。知り合いの病院で緊急の検査をしてもらうと、心不全と診断されました。

心臓のあたりが痛くて、手で押さえている男性
写真=iStock.com/Ake Ngiamsanguan
※写真はイメージです

それ以来、利尿剤を飲み続け、おかげで息が切れることはなくなりました。

健康を害するより話がつまらなくなるほうが怖い

コレステロール値はいつも300mg/dl前後で、中性脂肪は600mg/dlくらいのことが多いです。基準値はコレステロール値が220mg/dl未満で、中性脂肪は30〜149mg/dl(空腹時)ですから、かなり高いほうです。

これについては高いほうがいいと信じているので、薬はもちろん使っていないし、肉を食べる生活も毎晩ワインを飲む生活も変えていません。

ただし、中性脂肪が1000mg/dlを超えたときには、世の中で一番痛いといわれる病気、急性膵炎すいえんになるぞと脅されて薬を飲むことにしましたが。

私は2023年6月で63歳になりましたが、この年代で、これだけ病気を抱えていると、さぞ不健康でヨボヨボしていると思われそうですが、自慢じゃないが、とても元気で体力があります。

仕事に関しては、大学の教員、勤務医、自分のクリニック、そして教育産業の経営を続けているし、2021年から本が売れたこともあって書籍や雑誌、ネット記事などの執筆依頼も殺到していますが、それもどうにかこなしています。

2023年の6月には7冊、7月には5冊の新刊書が刊行されました。2022年7月からは作家の林真理子さんの推薦を受けて、日本大学の常務理事の職に就いています。

よく疲れないねと言われますが、少なくとも書きものについては書きたいことを書いているので、むしろストレス発散になっています。

落ち目にならないかぎり、70歳くらいまでは、このスタイルで仕事を続けるつもりです。健康を害するより話がつまらなくなって落ち目になるほうが、よほど怖いことです。