全寮制インターナショナルスクールも開校

<安比高原スキーエリア>

最初の候補地は安比高原スキーエリアだ。東北新幹線で東京駅から最速で2時間11分の盛岡駅から車で約50分に位置する岩手県八幡平市のスキーリゾート「安比高原スキー場」は、全21コースあり、総滑走距離は4万3100メートルだ。ゲレンデの雪質は「奇跡のシルキースノー」とも称されている。レモンイエローのホテル、「APPI」のロゴ、うさぎなどのグラフィカルなデザインが、バブル期には一世を風靡ふうびした。

安比高原スキー場
岩手ホテルアンドリゾートプレスリリースより
安比高原スキー場

2022年8月には、映画「ハリー・ポッター」の撮影地としても有名な450年の歴史を持つ英国名門校「ハロウスクール」をモデルにした、「ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン」が開校している。日本の小学校6年生~高校3年生にあたる子供を対象とした全寮制の学校となる。授業料や寮費などを含めて、学費は年間約1000万円になるという。

3万3000円のリフト券に、ラグジュアリーリゾートホテルの誕生

安比では、既存のスキー場施設を生かしながら、リニューアルや新サービスの導入が進められている。例えば、リフト券では、今シーズンから「BLACK PASS」が導入され、一日券3万3000円とかなり高額ながら、リフトやゴンドラの優先乗車は無論、フードコートにも優先レーンや優先席を確保。オープン前の新雪ゲレンデを独り占めしたり(ファーストトラック)、専用のキャット(雪上車)の利用も可能だ。

レンタルステーションもリニューアルされると共に、「Executive Lounge」も新設され、サロモンやアトミックなどブランドモデルのレンタルの他、ブーツフィッティングには、カスタムインソールも導入できる。なお、3点セット(板・ブーツ・ポール)一日の料金は1万2000円とこちらもかなり高額だ。将来的には、ゴンドラなどの設備のリニューアルも予定されているという。

東北初の外資系ラグジュアリーリゾートホテルとして2022年2月に開業したANAインターコンチネンタル安比高原リゾートは、旅行業界のアカデミー賞とも称される「ワールド・ラグジュアリー・ホテル・アワード」を2年連続受賞(2023年10月時点)している。同ホテルは岩手ホテルアンドリゾートがIHGホテルズ&リゾーツと契約して開業したものだ。

安比にて同ホテルなど3ホテルを所有・運営する岩手ホテルアンドリゾートは、安比高原を「観光・教育・健康」の3要素が調和した、定住者1万人のグローバルな街にすることを目指す「安比バレー構想プロジェクト」を2020年に発表しており、外資系ブランドホテルの開業や、インターナショナルスクール開校に続き、商業施設、定住型別荘などを整備していくという。

ANAインターコンチネンタル安比高原リゾート
岩手ホテルアンドリゾートプレスリリースより
ANAインターコンチネンタル安比高原リゾート