「実質ナンバー3」に抜擢されたと言っても過言ではない

それを副社長に昇格させて本格的に海外事業に専念させるというのが今回の人事の本当の中身です。誤解を恐れずに申し上げれば、そのことで武田新副社長はニトリグループの実質ナンバー3に抜擢されたと言ってもいいかもしれません。

ちなみにニトリホールディングスの役員体制は、創業会長の似鳥会長がナンバー1、その11歳年下の白井社長がナンバー2と目されます。今回、3人体制になった副社長の顔触れは、須藤副社長が島忠のトップ、松元副社長が中国事業立ち上げの功労者です。そこに武田新副社長が加わってグローバルの成長のかじ取りを行うというのが今回の人事です。

そこで頭に浮かぶ疑問は「なぜ創業経営者の似鳥会長が、国内ニトリのトップに返り咲くのか?」という話ですが、これも外部のアナリストの視点で考えると実に適材適所かもしれません。

人の手が、人形が描かれた木製のブロックをピラミッド型に配置している
写真=iStock.com/Ong-ad Nuseewor
※写真はイメージです

苦境を打破するだけのパワフルな可能性を感じさせる

というのはこれから先、国内ニトリ事業に必要なことは成長よりも洗練なのです。国内のビジネスの細かいところまで目を光らせながら、無駄を減らし、DX化や売れ筋死に筋管理などを通じて、乾いたぞうきんをさらに絞って水を出すように利益を絞り出す仕事が求められます。

これは国内のニトリ事業について熟知しているうえに、国内組織に大いに睨みが利く人物が就任する人事が最適です。

つまり成長が必要な海外のトップと、逆風での収益化が必要な日本国内のトップをどう選び直すかという視点で人事戦略を考えた結果、国内の社長をグローバルの副社長に昇格させ、かつ全体のトップを国内のトップにコンバートするという奇策のような人事が最適解だったということなのです。

ニトリのおかれた経営環境は、日本企業として実に苦しい状況だと思われます。しかし今回の人事はその苦境を打破できるだけのパワフルな可能性を感じさせる人事だということで、それがアナリストから「良いニュースだ」と評価された。それが事の「深層」です。

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