考え方を改める勇気を持とう
よりよい決断ができるのは、新しい情報や統計データを学び直し、自分の考えを改めることができるときだ。とくに、以前の考えがもう通用しないことに気づいた場合は。
とはいえ、研究によると、多くの人はなかなかそれができない。
人は、最初の考えを貫いてした決断で悪い結果を招いたときより、考えを改めたあとに「間違った決断」をしたときのほうが、長く自分を責める傾向があるからだ。いかにも人間らしいこの特徴が、意思決定を下手くそにしている。新しい情報を求める勇気を持とう。考え方を改める勇気を持とう。結局うまくいかない道を選んでも構わないのだ、と知る勇気を持ってほしい。
難しい決断を避けていたら、死の床で「後悔はない」と言える状態にはまずなれないだろう。勇気を出して、計画通りに進まないかもしれない不安や見通しと向き合った人のほうが、そこに至れる可能性は高い。
脱出のヒント
・人生で何が大切かわかっていて、自分にとって最善の判断をしている自信があっても、人は、変化を起こすために必要な行動をなかなか取れないことがある。
・今の時点では最善の選択だが、よりよい情報を得たら変わるかもしれない――そんな決断を下すのに慣れるとラクになるだろう。多くの人は、「常に完璧な決断をしなくてはならない」と信じている。でも、現実には、ほとんどの決断はその瞬間に最善のものであれば十分だし、たいていまた覆せる。生死を分けるような決断でない限り、最初から100パーセント正しくなくても構わないのだ。