筋肉のセルフチェックを

それでは、まずあなた自身の筋肉が今どんな状態なのかをチェックしていきましょう。

〈セルフチェック1〉については、指が楽々差し込めればOKです。足の指の間が開かなかったり、開くときに痛みを感じたりした場合は、下半身(腰から下)の筋肉にこわばりがあったり、弱ったりしていることが考えられます。

〈セルフチェック2〉は、ヒジを曲げずにまっすぐ伸ばしたまま、腕が耳の近くまでいけばOKです。あまり上がらない場合は、上半身の筋肉、特に背中と肩まわりの筋肉が十分に使われずにこわばりが生じています。

エクササイズを習慣化しよう

ここからは具体的なエクササイズのやり方を紹介していきましょう。

下半身と上半身のエクササイズを2種類ずつ紹介しますが、それ以前の準備として、次の二つを行い、習慣化するようにしてください。

〈エクササイズ準備1〉 足指を開く

四つの足指の間に反対側の手の指を差し入れて足指を開き、手で握るようにします。最初は足が温まっている入浴時にやるようにするといいでしょう。

体が温まると筋肉がゆるむので、平時よりも手の指が入りやすくなるはずです。これをするだけで全身の筋肉がやわらかくほぐれます。

続けることで、エクササイズの効果が出やすい体がつくられます。

足指を開くエクササイズ
撮影=川瀬典子
足指を開くエクササイズ
〈エクササイズ準備2〉 座骨を立てて座りましょう

座骨ってどこにあるかわかりますか?

椅子に座った状態で、手のひらを上に向けて臀部でんぶ(お尻)の下に手を入れてみてください。

そのとき左右のお尻に二つ出っ張っている骨が座骨です。

座骨は骨盤の一部で、いちばん下に位置しています。その名のとおり、「座る」ことに関してとても重要な役割を果たしています。

座骨を床や椅子の座面に垂直に立てるようにして座ると、自然と姿勢がよくなり背中がまっすぐになります。

本来、椅子には背もたれは必要ないと思ってください。座骨をきちんと立てさえすれば、上半身はおのずとシャンとするからです。

ところがほとんどの人は、背もたれに背中をもたせかける姿勢が楽な姿勢と勘違いしています。このとき骨盤は後ろに倒れ(後傾こうけい)、座骨は本来の役割を果たせていません。

座骨がきちんと立った正しい姿勢だと、体は少し前傾になります。

まずはエクササイズをするとき、座骨を立てて座るようにしてください。日常生活でも座骨を立てて座ることを心がけるといいでしょう。