呼ばれて行かないなんてことは許されない

実はアメリカやヨーロッパは日本人が想像する以上に大変な部族社会です。その部族は古代のような同じ村や血縁関係からかなり拡大されていて、地縁や血縁に縛られた運命共同体というよりも利益を共有する集団になっています。

たとえば業界内の派閥や会社内での交友関係、上司と部下の関係、学校での子どもの同級生との関係といったものになります。だからホムパに呼ばれるか呼ばれないかということは、その後の人生を左右し、所属している社会での立ち位置を明確にするための重要な儀式なのです。

したがって会社で上司やかなり力を持った目上の人々がホムパを開催する場合、呼ばれたらほぼ完全に出席しなければならないことになっています。これは利害関係の対立が激しく、部族社会的な色合いがたいへん濃いアメリカでは特に強烈です。

ホムパに呼ぶか呼ばないかを他人の目の前でも堂々と公言し、自分の派閥に入れない人間に対してはまったく声をかけないということをやります。さらにホムパを開催したあとはその写真や動画をSNSやWhatsApp(ワッツアップ/チャットツールのひとつ)などで公開し、会社内や業界内での自分たちの力関係や派閥を明確にするのです。

似たような格好の女性があふれかえるワケ

これが富裕層や芸能人となると、そのような写真や動画を週刊誌やニュースサイトなどで大量に公開します。アメリカやヨーロッパの芸能関係における媒体の雑誌は毎週このようなホムパの写真を掲載しています。掲載専門のコーナーまであるほどで、どれだけ人気があるコンテンツかということがおわかりになるでしょう。派閥関係の公開提示がそれだけ重要だということです。

さらにここで重視するのは特に女性の場合、参加者は同じような服装、同じような髪型、同じようなメイクで、写真や動画に登場することです。日本の任侠社会とか珍走団(暴走族を格好悪く言い表した表現)とまったく同じで、同族であることを示すシンボルはまず見た目です。

二人の女性のイメージ
写真=iStock.com/monkeybusinessimages
※写真はイメージです

だからこのようなホムパで力関係を示すことが大好きな意識高い系の白人の女性たちの場合、意識が高そうな白っぽいセクシーな服、金髪のロングヘア、ナチュラルメイクに見えるが盛りまくった化粧、派手なネイル、ヒールの靴などで同族性を強調します。時にはお揃いのTシャツを着たり帽子をかぶることもあります。