「一緒にバカができる人間」を選別している

そのイベントのためにわざわざお揃いのものを縫製するのです。そういった服をチャリティーイベントやマラソンなど、さまざまなイベントの都度つくり、打ち上げをやる場面で着用して一緒に写真を撮ってネットでガンガン回しまくるのです。

つまり同じ服を着ることを許されない人間や、招待されていない人間は仲間ではないということを遠回しに言っているのです。イギリスの場合ではここに仮装要素が入ってきます。ようするにコスプレです。こういう力関係を精査するイベントで、テーマごとの仮装を大の大人が真剣にやるわけです。一緒にバカができる人間なら仲間にしてやる、というこれまたきつい同調圧力がそこに存在しています。

仮装にはそれなりにお金をかけるので、数万円単位で衣装を特注したり、着ぐるみを調達したり、夫婦でお揃いのテーマにしたりとかなり面倒くさいです。しかも仮装が他人とダブったりするのもご法度で、ユニークさや奇抜さがなければなりません。この馬鹿げたことにもお金がかかるのです。

日本の会社の人間関係は実はさっぱり

さらにホムパだけではなく、厄介なのが会社でのさまざまな行事です。アメリカや北欧の会社は日本の会社に比べてやたらと行事が多いのです。

海外の実態を知らない人は、日本の会社はやたらと飲み会や行事が多くて大変というような文句を言っていますが実は大違いです。近年は日本の会社のほうがはるかにさっぱりしていて、昭和の頃とは違って飲み会や行事もだいぶ少なくなっています。

ところがアメリカやヨーロッパ北部の職場は日本の会社よりもはるかにねっとりしています。たとえば管理職やチームリーダーレベルの人々が合同で泊まりがけの研修や海外の視察旅行に出かけます。そのなかには遊びに近いものもけっこうあります。

だからアメリカやヨーロッパ北部には大企業や超儲かっている会社向けの大変高価なコーポレートパッケージ(福利厚生プログラム)の旅行やイベントがかなりあります。