肯定的に伝えれば、素直に受け取ることができる

例えば問題文をよく読まない子には、「理科のこういう長文問題ってさ、文章の中に答えやヒントが書いてあったりすることが多いみたいよ。あなたなら見つけられるよ」、字を雑に書いたり、解答用紙にバランスよく書けなかったりする子には「この問題の回答、左上からちゃんと書いていれば、途中で計算スペースがなくなることなく正解できるわよ。そしたら、10点取れて合格ラインに達していたんだね」といったように、すべてを肯定的に伝えてあげると、「そうか、そうすれば正解できたんだな」と素直に受け取ることができ、次は同じミスをしないように気をつけるようになる。

「そんなまどろっこしいことできないわよ!」と思うかもしれないが、伝え方をちょっと変えるだけでミスを防げるのなら、やらない手はない。

家庭での教育
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今の時点でも基礎力が足りない子がいる

と、ここまでは例年通りの親の声かけの注意点となる。ここで一つ加えておきたいのが、「今年ならではの親の声かけ」だ。

近年、首都圏では中学受験者数が増加傾向にある。一般に中学受験の勉強は小3の2月からスタートし、そこから3年かけて準備をしていくが、近ごろはそれよりももっと早い低学年のうちから塾通いをさせている家庭も少なくない。そういった「やらせすぎ」な家庭がある一方で、なんとなく周りの空気に流されて受験を始めてしまった家庭も増えている。そういう子は、塾に通っているだけで、実は基礎力がまだついていないことも多い。定着度合いが低い上に、演習量も不足していて、受験をするだけの力がまだ身についていない状態なのだ。