東大生が受験生からよくされる質問に「1日何時間勉強すれば東大に入れるか」というのがある。現役東大生の西岡壱誠さんは「勉強時間は机に向かっている時間とイコールではない。他のことに気を取られて勉強に身が入っていない人は意外と多い」という――。

※本稿は、西岡壱誠『東大モチベーション 勉強のやる気がすぐ起きて→ずっと続く方法』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

クロノメーター、テストペーパー、消しゴム、鉛筆
写真=iStock.com/adventtr
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「何時間勉強すれば東大に入れるか」とよく聞かれる

突然ですが、東大生が目の前にいたとしたらどんな質問をしますか?

僕はよく、学校でお話をさせていただきます。そのようなとき、必ずと言っていいほど受けるのは、以下の質問です。

「何時間くらい勉強すればいいですか?」
「何時間くらい勉強すれば東大に合格できますか?」

まあ確かに気になりますよね。

どれくらいやれば受かるのか、知りたいと考えるのは自然なことです。

でもこの質問って、よく考えたらおかしいと思いませんか?

だって、「時間をかけたら勉強ができるようになる」わけじゃないですよね?

たとえば、みなさんが4時間勉強したとして、そのうち2時間わからない問題をずっと考えていたとします。2時間ずっと、「うーん、うーん」と唸っていて、それで半分勉強時間が消えているのであれば、その時間にはなんの意味もないですよね。

ただただ頭を捻って考えているだけで2時間経過……。ハッキリ言うと時間のムダです。そういう時間が何時間累積したって意味がありません。

「机に向かっている時間」を計っても意味はない

もっと言いましょう。昨日みなさんは何時間勉強しましたか?

そしてその勉強時間が仮に3時間だったとして、その3時間のうち、どれくらい本気で、なんのジャマも入らず、スマホもいじったりせずに、きちんと3時間勉強できましたか?

おそらく、こう聞かれると「3時間」とは答えにくいですよね。

つまり、「机に向かっている時間」は計れるのですが、そのうちどれくらいが自分の本当の勉強時間なのかはわからないのです。

だから東大生に「どれくらい机に向かっていたのか」と聞いても意味はありませんし、みなさんも、ただ机に向かっている時間だけを計ることに意味はないのです。

結局、そうやって机に向かっている時間で考えていると、「勉強しているのに成績が上がらない!」「がんばっても結果が出ない!」ということになります。