毎日いっぱい食べたい食材のベスト番付
パレオダイエットの食事法はとてもシンプル。「加工食品を減らし、本当に体にいい食品をたっぷり食べる」。これがすべてです。
おおまかな「体にいい食品」の見分け方がわかったところで、パレオダイエットでオススメの食材について、さらにくわしく見ていきましょう。
ここでは、タンパク質、脂肪、糖質の順番に、それぞれのベスト食材を紹介していきます。いずれも上位の食材ほど体にいいので、ガンガン毎日の食事に取り入れていってください。
食後の満腹感を高める「タンパク質」のベスト番付
まずは、タンパク質が豊富な食材のベストから。タンパク質は食後の満腹感を高める効果が大きく、ダイエットに役立つのはもちろん、毎日を気分よく暮らすためにも必須の栄養素です(※2)。
摂取量は一日の総摂取カロリーの15~35%あたりが目安。たいていの人は20%以上を目指せば十分でしょう。すぐれたタンパク源は以下のとおりです。
大関……………牧草など自然に近い環境で育った牛、羊、ヤギなどの反芻動物の肉
関脇……………地鶏、放牧で育った豚
小結……………卵、養殖魚
前頭筆頭………穀物で育った牛、羊、ヤギなどの反芻動物の肉
前頭二枚目……穀物で育った豚、全乳
前頭三枚目……ブロイラーの鶏肉
幕下……………加工肉
以上のランキングは、タンパク質の量はもちろん、脂肪酸のバランス(オメガ3とオメガ6)、有害金属や飼料などの安全性をベース評価にしています。
まず、もっともすぐれているのは魚介類。魚にふくまれるオメガ3脂肪酸には、細胞の炎症をふせぎ、体を若返らせる働きがあります(※3)。サーモン、サバ、イワシ、ニシンなどの脂肪分が多い魚を、週に100~200gを目安に食べてください。
近ごろは魚の油を使ったサプリも多く売られていますが、基本的にオメガ3は酸化ダメージを受けやすい性質を持っているため、品質が悪いものを飲むと逆に寿命が縮む可能性もあります(※4)。オメガ3は、必ず魚から摂るようにしましょう。
次に大事なのがお肉。牛、豚、鶏、羊など、動物の肉なら何でもOKです。
できれば放牧やケージフリーで育てられた良質な肉を選びたいですが、あまり神経質になるのもよくないので、スーパーで手に入る食肉で構いません。
ただし、ソーセージやハムなどの加工肉はNG。WHOが2015年に行ったメタ分析でも、加工肉で発がんリスクが高まることが確認されています(※5)。
また、卵もビタミンDやタンパク質が豊富な優良食品です。特に近年の実験では、一日に1個以上の卵で体の炎症が減ることがあきらかになり、アンチエイジングフードとしても見直されつつあります(※6)。
卵というとコレステロールが気になる方もいるでしょうが、ご安心ください。ここ数年のデータにより、一日に4個の卵を食べても血中コレステロールには影響がないとの結論が出ています(※7)。
以上の食材は、横綱から関脇クラスだけを食べるのが理想ですが、それでは食費がかかってしまうので、小結から前頭筆頭までのタンパク源をメインにしていきましょう。前頭二枚目から下は、たまに食べるぐらいにしてください。幕下の加工肉については、全体の1割以下に抑えましょう。
※2 Leidy HJ. “Increased dietary protein as a dietary strategy to prevent and/ or treat Obesity.”(2014)
※3 Rangel-Huerta OD, et al. “Omega-3 long-chain polyunsaturated fatty acids supplementation on inflammatory biomakers: a systematic review of randomised clinical trials.”(2012)
※4 Rizos EC, et al. “Association between omega-3 fatty acid supplementation and risk of major cardiovascular disease events: a systematic review and meta-analysis.”(2012)
※5 The International Agency for Research on Cancer “IARC Monographs evaluate consumption of red meat and processed meat”(2015)
※6 Jia Wang, et al. “Cholesterol Supplement can Alleviate the Severity of Pulmonary Infection of Patients with Hypocholesterolemia”(2016)
※7 Djoussé L, et al. “Dietary cholesterol and coronary artery disease: a systematic review.”(2009)