ホルモンの材料になる「油」のベスト番付

ダイエットの世界ではとかく油や脂肪は嫌われがち。しかし、脂質は体内でホルモンの材料になるため、制限しすぎると体に害が出てしまいます。必ず適切な量を摂るようにしてください。

脂質の摂取量は、一日の総摂取カロリーの20~50%あたりが目安。すぐれた脂肪は以下のとおりです。

横綱……………ココナツオイル、MCTオイル、パーム核油
大関……………放牧牛の牛脂、オーガニックバター、ギー
関脇……………マカダミアナッツオイル、エキストラヴァージンオリーブオイル
小結……………アボカドオイル、亜麻仁油
前頭筆頭………アーモンドペースト、カシューバター
前頭二枚目……放牧豚のラード、牛脂、バター
前頭三枚目……クルミ油、鶏油
幕下……………キャノーラ油、サフラワー油、大豆油、コーン油

以上のランキングは、体に炎症を起こすオメガ6の量が少ない順に並べています。基本的には小結クラスまでの油を使うのが理想で、なかでも横綱クラスの油には体の炎症を抑える作用もあるため、ぜひ積極的に料理に使ってください。ただし、亜麻仁油は熱で酸化しやすいので、これだけは生野菜のドレッシング用に使いましょう。

サラダのイメージ
写真=iStock.com/Zheka-Boss
※写真はイメージです

注意してほしいのは、ここで紹介した油は、あくまでも料理用にだけ使ってほしいことです。良質な魚や卵などをちゃんと食べていれば、体に必要な量の脂質は十分に補給できるため、追加でわざわざ油を飲むような意味はありません。

近ごろは「ココナツオイルやMCTオイルを飲む」といったダイエット法もありますが、科学的な根拠はゼロです。2015年に出たメタ解析でも、ココナツオイルやMCTオイルを飲んでも痩せるわけではないとの結論が出ています(※8)。同様に、近年では「バターを入れたコーヒーを飲む」といったダイエット法もありますが、これも科学的な根拠はありません。

※8 Mumme K, et al. “Effects of medium-chain triglycerides on weight loss and body composition: a meta-analysis of randomized controlled trials.”(2014)

大事なエネルギー源「炭水化物」のベスト番付

糖質制限ダイエットの世界では炭水化物は嫌われものですが、人間の体が正常に機能するためには、絶対に糖質は必要です。

実際、これまでに行われた狩猟採集民の調査データを見ても、糖質が総カロリーの2割を下回る民族は存在しません(※9)。肉食が中心のイヌイット族ですら、アザラシの肝などからちゃんと糖質を摂取しています(※10)

逆に糖質の量が7割以上を占める狩猟採集民も多く、例えばパプアニューギニアのキタバ族は総カロリーの72%が炭水化物ですし、ツキセンタ族にいたっては、なんと総カロリーの95%を炭水化物から摂っています(※11)。炭水化物は、人間にとってごく自然な栄養素なのです。すぐれた炭水化物は、以下のとおりです。

横綱……………すべての葉物野菜
大関……………サツマイモ、じゃがいも、サトイモ、長芋、カボチャ
関脇……………ニンジン、タマネギ、レンコン、ニンニクなどの高糖質な野菜
小結……………ベリー類など、フルーツ全般
前頭筆頭………全粒粉のパンやパスタなど、玄米、ココナツ、白米
前頭二枚目……そば、クルミ、マカダミアナッツ、ライ麦、キヌア、豆類
前頭三枚目……アーモンド、カシューナッツ、種子類、うどん
幕下……………菓子類、市販のパン、スナック類

以上の食品は、総カロリーに対するビタミンとミネラルの割合が多く、食物繊維が豊富なものほど上位にランクインしています。

鈴木祐『新装版 一生リバウンドしないパレオダイエットの教科書』(扶桑社)
鈴木祐『新装版 一生リバウンドしないパレオダイエットの教科書』(扶桑社)

第一に、パレオダイエットでもっとも大事なのが野菜です。ほうれん草、ブロッコリー、キャベツ、ネギ、レタス、アスパラ、キノコ、カブ、キュウリなど、とにかく野菜なら何でもOKなので、カロリーを気にせずガンガン食べましょう。

続いて、根菜類も大事な糖質源のひとつ。糖質制限ダイエットでは嫌われがちですが、パレオダイエットでは積極的にイモや根菜類をおすすめしています。

サツマイモ、ジャガイモ、タロイモ、ニンジンなど、いずれもビタミンや栄養素が豊富な優良食品です。カロリーは高いですが、怖がらずに食べてください。

さつまいもご飯のイメージ
写真=iStock.com/Promo_Link
※写真はイメージです

そして、3番目に大事なのがフルーツです。食物繊維とポリフェノールが豊富で、2009年にデンマーク工科大学が行ったメタ分析でも、フルーツの消費量が多い人ほど肥満が少ないという傾向が出ています。カロリーオーバーにならない限りは、何の問題もありません。

いっぽうで、前頭クラスの食品は全体の3割以下に抑えたほうがいいでしょう。特にナッツ類や種子類は脂肪分が多いので、さらに減らしたほうがベター。それより下にランクした糖質源は、できれば完全に食卓から取り除いてください。

※9 Kuipers RS, et al. “Estimated macronutrient and fatty acid intakes from an East African Paleolithic diet.”(2010)
※10 Y. H. Hui “Principles and Issues in Nutrition”(1985)
※11 Sinnett PF, et al. “Epidemiological studies in a total highland population, Tukisenta, New Guinea. Cardiovascular disease and relevant clinical, electrocardiographic, radiological and biochemical findings.”(1973)