地元紙の静岡新聞が川勝知事を「援護射撃」

またJR東海の田代ダム案が河川法に抵触しないことを静岡新聞は紙面で紹介しながらも、2023年7月27日付同紙は、まるまる1ページを使って、『「田代ダム案」浮かぶ課題』と題し、水利権の目的外使用に当たるおそれがあると主張して、川勝知事と同じく田代ダム案をつぶそうと躍起になった。

「実質的には取引」という見出しで、「水利権に詳しい東京経済大の野田浩二教授は、JRが取水抑制することで東電RPに生じる損失を補償する方針を示していることから『実質的な水利権取引と解釈するのが自然』との認識を示す。その上で、『今回のような変則的な対応は残念。今後類似例が増え、水利権の管理が大変になるのではないか』と危惧する」という記事を掲載した。

田代ダム案が、まるで「水利権取引」であり、「変則的な対応」で、「水利権の管理が大変になる」などと悪意と誤解に満ちた談話で構成されていた。

静岡新聞は田代ダム案を「水利権取引」と報道

筆者は、野田教授が本当に水利権に詳しい学者なのかあまりにも疑問点が多いと思い、東京経済大学に野田教授の取材を申し込んだ。直接の取材は受けていなかった。

同大学広報課の回答は「都合上、取材対応はできない」だけだった。ちなみに野田教授は、河川法の専門家ではなく、環境経済学を専門としている。

水利権を所管する国交省への取材もなく、今回の田代ダム案を「水利権取引」で「変則的な対応」としてしまうのは、偏向記事でしかない。

また「今後類似例が増え、水利権の管理が大変になる」と野田教授は述べているが、もともと水利権の管理と関係のない事案だから、「水利権の管理が大変になる」ことなどない。

本当に、野田教授は、今回の田代ダム案をちゃんと調べたのか、あまりにも無責任な発言に思えた。