さっさと捨てるべきもの

家族が片付けようとすると、思い出に浸ってしまってなかなか進まないもの。それが片付けのプロと一緒に手を付けはじめると、不思議なほどするする進むのです。さらには実家を売る/貸すといった決断も、胸のつかえが取れて、スムーズにできるものです。プロへの相談費用はかかりますが、そのまま放置し続けた場合にかかる費用や、どんどん売却金額が下がっていくことを考えれば、圧倒的にお得です。ついでにご近所へかける迷惑も考慮して、庭の樹木なども処理しておけば、対処をしている期間中に近隣と関係が悪化したり、足が遠のいたりすることもなくなります。

国土交通省「令和元年空き家所有者実態調査」によると、空き家のままにしておく理由の1位は「物置として必要だから」で、次いで「解体費用をかけたくない」「更地にしても使い道がない」となっています。このほかに「住宅の質の低さ(古い・狭いなど)」「将来、自分や親族が使うかもしれない」「好きなときに利用や処分ができなくなる」といった理由も見られます。

ただ、「物置として必要」というのは、言い換えれば「家の中にある大量の物を片付けるのが面倒で、結果として物置になってしまっている」ということでしょう。確かに、何十年もの間に蓄積された思い出の品を整理し処分するのは、大変な労力を伴います。

手元に残すものは1~2割でいい

親が生きているうちに、しっかりコミュニケーションを取りながら、できるものから片付けていけるといいですね。また、たくさんの物の中で、家族が実際に使える物はごくわずかです。引き出物でいただいたバスタオル、子どものころの学用品、食器類など……。これらの物は、もったいないと思わずに、思い切って処分してしまいましょう。

今、使っていないのであれば、これからも絶対に使いません。手元に残すものは1~2割に絞りましょう。

せっかく片付けてきれいにした部屋でも、使われていないとどんどん傷み、長く放置している状態に戻ってしまいます。片付けが終わったものの、具体的な売る/貸すといった対処の完了までは時間がかかりそうな場合は、見回りや管理、通風などを代行してくれるサービスなどを利用します。

月々かなり安い金額で実施できることも多いので、雨漏りや床が抜ける、湿気がたまって壁が剝がれるといった状態にならないよう、ぜひ定期的な管理を行うことをおすすめします。

古家リフォーム物件のリフォーム前
写真=iStock.com/TATSUSHI TAKADA
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