「家を頼むぞ」ではダメ

実家の扱いについて親と一度でも話ができていれば、片付けをするなどという次のステップに進みやすくなります。ゆくゆく家を売却する場合でも、相続後にためらうことなく動けますし、親族にも「本人の希望なので」と説明することができます。

両親を淋しい気持ちにさせず、楽しい思い出話とポジティブな雰囲気の中で、待ち受けている未来について話すこと。これが、タイプ①に当てはまる方への、実家の処遇についてのコツです。

ここでよくあるのは、「両親から『家を頼むぞ』と言われた」という話です。「頼むぞ」とは、売らずに守ることなのか、好きなようにしていいのか――。この解釈に悩み、もしくは想像をめぐらせ、長らくお金を払いながら保有していた人も多くいます。

「頼むぞ」という抽象的な言葉ではなく、「売っていい」「処分しなさい」といった具体的な指示をもらうことを大切にしてください。親が亡くなったときにすぐ実家を処分するのは気が重いものです。家族みんながゴールを頭に入れておくと、いざというときに迷わず意思決定ができます。

実家を売るのか、貸すのか、それとも親族の誰かが受け継ぐのか。そのどれにするのかを、できるだけ両親の意思を聞き、イメージしておきましょう。

片付けは親族だけで行ってはいけない

タイプ②とにかく「片付け」が問題を前に進める

実家を相続して、空き家の所有者になった図表1のタイプ②に当てはまるあなた。面倒な相続を終えただけでやり切った感がありますよね。

「やれやれ、やっと終わった。実家は空き家になったけど、まあしばらくこのまま置いといて、そのうちなんとかしよう」と思っていませんか? 「そのうち」って、いったいいつ対処するんですか? このままずるずると数年が経ってしまう、というのはよくある話です。

とくに遠方に実家があったりすると、よくても年に一度しか行けない、というのはみなさんも現実味があるのではないでしょうか。

プロに頼んで、とにかく片付ける、きれいにする両親がなくなって一周忌が終わったら、あるいは三回忌が過ぎたら手を付けよう。それまでは、遺品や家族の思い出の品もそのままにしておこう。そしていざ片付けようと実家へ行くと、アルバムを開いて何時間も見入ってしまう……。「これは必要、これは不必要」と仕分けているつもりが、どれも大切に思えて、とりあえず片付けをやめてしまう、なんていう展開もよくあります。自宅の引っ越しでも同じような経験をした方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

僕たちに寄せられる相談も、片付いてないものや残置物が山盛りなケースがほとんどです。

実家の片付けを進めるときは、

①業者など他者の力を借りること
②8~9割は処分する覚悟を持つこと

の2点がポイントです。