「ごめんなさい」と言わない子供にどう対応すべきか

子どもの恥じる気持ちを検知することは、親ならいつでも使えるようにしておきたい、必須スキルです。

子どもに問題が起きているとき、恥じる気持ちを放置すると状況はさらに炎上します。子どもの恥じる気持ちに気づき、どんな状況を恥じているのかを理解し、どんな形の行動として表れるかを理解することが「検知」です。そのあとで、恥じる気持ちを緩和し、子どもがふたたび安心と安全を感じられるようにするのです。まず、検知。次に、緩和です。

妹のブランケットを隠してしまったお姉ちゃんの話を思い出してみましょう。彼女は、妹が明らかに悲しんでいるのに、自分のやったことを認めず、ごめんなさいとも言わなかったんでしたね。あやまるのを拒否することは、恥じている典型的な例です。冷たく、思いやりがないように見えるかもしれませんが、実際には、「自分はダメな子だ」という気持ちに圧倒されて、フリーズしてしまっているのです。

あやまることができないのは、謝罪すれば、自分をひどいことをした人間と「みなす」ことになるからで、愛してもらえないという望ましくない感情に向き合わなくてはならないからです。あやまることは、必然的に、見捨てられる恐怖を直視することであり、その代わりにフリーズして、それ以上の不快感を避けているというわけです。

「ごめんなさい」を無理やり言わせてはいけない

そう、これだけのことが、「ごめんなさい」と言わないという単純なことの中では起きています。子どもが「身動きがとれなくなっている」ように思えるとき、恥じる気持ちにさいなまれているのかもしれないと考えてみてください。

そうして、検知したら、大切なのは、ちょっと間を置くことです。子どもが恥じる気持ちに圧倒されているとき、わたしたちは本来の目標である、謝罪の言葉を引き出すこと、感謝させること、正直に話させることを脇に置き、緩和に集中しなくてはなりません。

先ほどの、ブランケットを隠してしまったお姉ちゃんにこう言っても、緩和はされません。「『ごめんなさい』は? なんで妹にもっとやさしくできないの?」。このとき、お姉ちゃんは「ダメな子」の役割を押しつけられ、自分はダメな子だという自己認識を植えつけられ、さらに恥じる気持ちが強まりフリーズしてしまいます。

緩和を目的とした声かけは、たとえばこうです。