1960年8月12日、初めてジェットエンジンを搭載した「DC-8-32型」が、羽田とサンフランシスコを直行で結んだ。時速876kmで、従来機より時速が300km以上もアップ。定員はファーストクラス36席、ツーリストクラス68席の計104席と倍近くに増えた。
DC-8-32型機は「空の貴婦人」とうたわれ、客室に設けられた純日本風のラウンジや西陣織のシートなど「日本文化」を強くアピールしたサービスが評判を呼んだ。
伊勢エビ、キャビアが山盛り…群を抜いた機内食
当時から機内での空の上の食事は空の旅への憧れを形にする重要なサービスだった。機内食では、伊勢エビが当然のごとく皿を飾っており、キャビアも含まれるオードブルの品数の多さがわかる。
1964年の写真では、かぶとをかたどったパイから見た目の絢爛さが際立っている。これを客室乗務員がトレーに盛って客席まで運んだのだ。ワゴンでまとまって運ばれる現在の機内食サービス風景とは違い、よりパーソナルなものとなっている。