人は男女の差を越えてfriendを求めている
自己啓発作家 デール・カーネギー
friendという意識は同性だけでなく、異性との間にも存在すると思います。人は男女の差を越えてfriendを求めているし、friendになりたいと努力していると思っています。
私も、精神的に非常に親しくしている相手には、男性もいれば女性もいます。
どちらの場合も大切なことは、たとえば一緒に仕事をしているのなら、仕事と無関係な面には介入しないことです。
その人の経歴、家族関係、経済状況、時にはスキャンダルめいた話などが、なんとなく聞こえてくる場合もあります。
しかし、詳しく知ったところで、人間関係にはなんの役にも立たないのです。
もちろん、たとえば「息子さんが発達障害らしい」などと聞けば、心配にはなります。しかし、「最近、どうしていますか」などと聞くことはしません。
妻が親しかった同級生の相談相手
私は今、妻が中学高校時代に非常に親しかった同級生の相談相手になっています。
彼女は一人っ子で、子供はいません。二年ほど前にご主人が亡くなり、一人暮らしになりました。
絵を描くのが趣味でしたが、数年前から加齢黄斑変性になって右目が見えなくなりました。左目の病状も進行して、趣味を楽しむのが難しくなったのです。
介護施設に関しては、かつてご主人と二人で入り、「地獄のようだ」と感じて家に戻って以来、二度と入る気はないようです。
彼女は私の恋人でもなんでもないのですが、妻が親しかったということで相談相手になっています。
彼女は私が医師である点でも頼りにし、尊敬もしているようです。しかし、専門が違うのであまり役に立てず、せいぜい「主治医の言う通りにしたほうがいいね」という程度の助言をするだけです。
それでも、夜の十時頃に私に電話をかけ、その日の出来事を二十分ほど話すのが、彼女の習慣になっています。
私は「誰にも将来は予測がつかない」とか、「自分を守るのは自分しかいない」「自分で結論を出し、そのようにしなさい」などと激励します。
新型コロナ禍もあって、最近は直接会っていないのですが、私ができることはただ励ますことだと思い、電話を受け続けています。