さて、結果はどうだったのか。予定どおりなら100時間で済む仕事でしたが、2000回のうち約8割は131~164時間かかるという結果になりました(手順3)。なかでも、もっとも多く分布されたのは140時間台。100時間のつもりで計画を組んでも、実際は140時間かかるケースが多いというのです。

これを別の角度から見ると、時間リスクというものを考えたとき、常に1日平均0.4時間のロスが発生していることがわかります。それを計算式で表したのが、手順4の「遭遇確率×発現確率×影響度+不測」という式です(「不測」はハザードなので計算に入れません)。

たとえば、「知人に会って飲むことになる」といったイベントもリスクになります。知人と会うのは週に1回(遭遇確率)。そのうち2回に1回飲みにいくことになり(発現確率)、さらに2回に1回は2軒目までいって5時間コースになるとします(影響度)。その場合でも、導き出された計算式によれば、ロスは常に0.4時間です。

つまり、1日0.4時間の時間ロスを毎日のスケジュールに組み込んでいれば、知人と会ってハシゴすることになっても、あとで調整が可能ということになります。ところが、毎日0.4時間のバッファを織り込んでいない人は、一度飲みに行っただけで計画が破綻して、「知人に会わなければよかった」と後悔する。ここで時間リスクの管理ができている人と、そうでない人に分かれるのです。

この結果から、私たちは2つのことを学ぶべきでしょう。まず一つは、スケジューリングに1.4倍の余裕を持つということです。自分の能力を100%稼働させれば10時間で終わる仕事でも、実際はさまざまなリスクイベントが発現して、10時間では70%までしか進まない可能性が高い。それを最初から織り込んで14時間でスケジューリングしておけば、ツイていないことが少々重なっても、時間が足りなくなることはないはずです。