「やるスポーツ」と「観るスポーツ」は別物なのか

しかし、一方で野球関係者からは、こうした声も聞こえてくる。

「少子化で競技人口が減るのは仕方がない。競技人口が減っても甲子園やプロ野球にはそんなに影響がないだろう。大相撲は、競技人口がすごく少ないのに人気スポーツだ。『やるスポーツ』と『観るスポーツ』は別物なんだ。野球はこれから『観るスポーツ』になるんだよ」

それは甘い認識だ。日本の国技である相撲は、かつては高校の部活としても人気があった。今でも全国には校庭の片隅に土俵がある高校がたくさんあるが、昭和の時代は500以上の高校に相撲部がありインターハイを目指してしのぎを削っていた。

全国高体連のデータを見てみると、2005年に相撲部がある学校は全国に216校あり、総部員数は1408人だったが、令和5年度の発表では130校、763人となっている。約20年でほぼ半減した形だ。相撲部がある学校が1県に1校しかないエリアもある。

当然ながら高校から大相撲に進む人材も減少し、大相撲の力士数は1994年には943人だったのが、今は619人にまで減っている(※2)。新弟子の減少にも歯止めがかからない状況で、番付は短くなり、大相撲は外国人力士がいないと成立しない状態になっている。

(※2)https://xn--psso2y7wo.jp/dataKihon/rikishikousei

相撲
写真=iStock.com/c11yg
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国民的スポーツではなくなる

「相撲はもともと『観るスポーツ』で、競技人口が減っても関係ない」と話す大相撲関係者もいるが、いまの横綱、大関の名前をどれだけの人が知っているだろうか。競技人口の激減に伴い、大相撲そのものの人気も下落している。

かつてNHK大相撲中継は「鉄板」の視聴率を稼ぐと言われた。平成の若貴ブームの時代は平均視聴率20%超を連発していた。だが、現在の年間視聴率は一けた台だ。影響力は地に落ちたといえよう。

野球が大相撲同様、「観るスポーツ」になることはナショナルパスタイムの看板を外し、マイナースポーツ化の道を歩むことを意味している。