起立性調節障害が朝に多く発生する理由とは

起立性調節障害では朝の寝起きが悪いのですが、その理由は次の3つからなると説明されています。

①朝に交感神経の活動が悪いために血圧が上がりにくく、脳血流が少なくなってしまう。
②午後から交感神経の働きが活発になり始め、そのピークが夜にくるため、就寝時間になっても目がさえてしまい、寝つきが悪くなる。
③寝つきが悪いため夜更かししてしまい、その結果、さらに朝の寝起きが悪くなる。

この①から③がどんどん悪循環となって、朝起きられなくなってしまうようです。

そう聞くと「夜更かしすることが原因で朝起きられなくなるんじゃないの」と考えがちですが、そもそもは朝の交感神経の働きが悪いところに原因があるのです。そのため、夜更かしに対して積極的にアプローチしても、あまりよい効果はなく、かえってうまくいかないことで家族がイライラしてしまうことにつながります。

朝は優しく粘り強く起こす、朝日を入れて目覚めを促す、少しでも早く消灯して眠りにつく努力をする、こうした対応がよいとされています。

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叱るのはNG、症状がひどいときは気を失うこともある

朝起きるのがとても苦手で、起こしてもらっているのに「その記憶がない」ということもあります。布団から出てもぼーっとして、着替えなど次の動作ができません。朝の食欲不振、全身倦怠感、頭痛や立っているときの気分不良、立ちくらみなどのほか、ひどいときは気を失うこともあります。

これもすでに述べましたが、午前中、特に朝に調子が悪く、午後になると徐々に体調がよくなり、夜は元気になって目がさえて眠れないといった、症状の日内変動があります。

季節による症状の変動もあり、一般的に春や秋など季節の変わり目に症状が悪化しやすいことも分かっています。「五月病」という言葉があるように、この病気も春から夏にかけて悪化傾向があり、特に夏休み明けの時期に症状が強くなるほか、天候や気圧の変化が影響することもあります。

交感神経の働きが低下しているのが原因で、本人が怠けようと思っているわけではありませんから、朝の寝起きの悪さに対して、親が大きな声で怒鳴ってもよい結果にはなりません。繰り返し声をかけることはするが、決して怒らないこと、部屋を明るくして布団をはがすなどの対応がよいとされています。