どくれい忙しいのか、今どきの教員の仕事とは

確かに、教員の仕事は楽とはいえない。業務時間が長いことも周知の通りである。子どもだけでなく保護者への対応を求められる教員の難しさは否定すべくもない事実である。

業務の時間が長くなりがちなのは、そういった対応に費やす面もあるが、特に若手の教員の場合、「より良い授業をしたい」というための授業準備や、部活動指導などへの情熱による積極的な長時間勤務も決して少なくない。

それが問題だと言われたら立つ瀬はないが、少なくとも嫌々残らざるをえない場合とそうでない場合が混在していることは間違いない。こうした点は恐らく、一般企業でも同じではないだろうか。

どんな仕事であっても、真剣にやれば大変さと楽しみの両面がある。「でも学校の先生は楽しいぞ」ということを実感として伝えるのは、現役教員の大切な役割といえる。

現場教員の筆者から、教員志望者を今以上に増やすために文部科学省や教育委員会などに強く要望したいことは次の2点である(→は理由)。

1 学習指導要領の内容の精選及び時数の全面的見直し
→人件費ゼロで全国の全ての教員の全業務の大幅削減につながる
→空き時間ができて残業が減り、現場に必要な人数を減らせる
→新規採用数を減らせる
→倍率の向上を担保できる

2 給与や待遇面を優遇してでも再雇用を増やす
→新規採用数を減らせる
→最低限の倍率を担保できる

要は、たとえ現場の教員数は増やしても新規採用数は極力減らすというのが、教員の「不人気説」を打ち破り、倍率をキープする最も効果的な道となる。それが無理なら現在の業務量を大幅に減らすしかない。

そして再雇用を増やすためには、今働いている人たちが「もう無理」「懲り懲り」と思うような現状は打破し、給与面でも優遇措置をとる必要がある。でなければ、せっかく教員免許を持っていても学校に戻ろうと思わないだろう。

国家100年の計である教育の改革は、低迷する日本を救う最も有効な手立てである。その崇高な使命を果たす尊い職業であることを鑑みて、新生の文科省には大胆な改革を切に望む。

教室で授業を受ける生徒の後ろ姿
写真=iStock.com/hxdbzxy
※写真はイメージです
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