自分とは感覚が違う人たち

世の中には、自分とは感覚の違う人たちがいます。

私は最近、地下鉄の優先席に座るかどうかで、私より若い世代の人たちが「空いていれば座る」「自分より若い人が座っていても、ぜんぜん何とも思わない」と答えるので、結構なショックを感じました。

私の感覚では、車両内が空いていても、周りに優先席が必要そうな人がいなくても、優先席は必要な人が利用しやすいように、できるだけ常に空席にしておくものです。

また、世の中には、堅気とは思えない人がいます。必ずしも反社会的という意味ではなく、いわゆる普通の感覚を持ち合わせていない人です。

先日私が立ち寄ったラーメン店の店長は、お客に対して「ありがとう」「すみません」とは絶対に言わないと決めているようでした。彼にとって、人にへりくだることなく、お礼も述べないようにすることは、大事な信念のようです。

こういう人に世間の常識を説いても、ムダな努力となるでしょう。

あるときは、ほぼ満席の新幹線自由席の車両で、私は、隣の席に荷物を置いて2席を使っていた人に、「ここに座らせてください」と頼んで、「他の席を探してーな」「荷物動かすの大変やねん」「1席くらい見つかるやろ」と言われました。

ここは先程のお手上げのポーズをするところです。

丁寧に話しても、相手が聞いてくれなければ、言い争いはせず、お手上げで終わらせるのを1つのパターンとして心得ておきましょう。

?の紙袋をかぶった人
写真=iStock.com/oatawa
※写真はイメージです

自分も傷を負う覚悟で

2つ目は、相手にどうしても言うことを聞かせたい場合の話です。

先程のように、話が通じないと感じるところで止めておく場合、自分が傷つくことはない代わりに、相手の行い(あるいは言動)も変わりません。

自分は傷つかないようにしながら、言うことを聞かない相手の振る舞いを変えるのは、難しいものです。

しかし、自分も傷ついても構わないから、相手に言うことを聞かせるという姿勢になると、成功する可能性が出てきます。

もっとも、列車内で座席を占有する人を相手に、ここまでするのはお勧めしませんが。

列車の中でこれが必要だったのは、子供をせっかんする母親を見たときでした。

普通ではない様子で、激しい叱責しっせきが続いているときに、母親に注意をして「関係ないでしょ」と言われても、お手上げのポーズをして知らん顔をするわけにはいきません。

自分が傷つくというのは大げさですが、ここは面倒でも、もう少しかかわらないといけない場面でしょう。

どうしても相手の行為を止めさせたい場合は、自分もまったく無傷というわけにはいかず、それなりの対応が必要になります。