香りを楽しむことを生活に取り入れる効果
朝起きたら庭に出て、ローズマリー、タイム、レモンバーム、マートルなどハーブの香りを楽しむことが私の日課です。嗅覚は男性の場合60代、女性では70代から低下します。さらに、最近では認知症と嗅覚との関係も注目されており、においに鈍感になったら、アルツハイマー型認知症の初期症状が疑われるといわれています。
嗅覚が低下すると食欲が低下し低栄養になったり、食品の腐敗に気づけず食中毒になる可能性もあります。それだけでなく、ガスもれや煙の発生を感知できなくなるなど、生命に関わる危険性が高まるため、とくにひとり暮らしの場合には用心したいものです。
取材でパリに滞在した際、ハーブ薬局を訪れる機会がありました。ここではスタッフが個人の体調や悩みに応じてハーブティーなどを選んでくれます。私はアレルギーに効果があるハーブティーとミントのエッセンシャルオイルなどを購入しました。現地で体調を崩した際、ミントの香りにはずいぶんと助けられました。ミントには集中力を高めたり、記憶力を高める効果もあるといいます。ドイツでは嗅覚低下を回復させるため朝と晩の1日2回、さまざまな「嗅ぐ」というトレーニングがあり、治療にも使われているようです。