発信は発信でも、ポジティブな発信がいい

それから発信は発信でも、ポジティブな発信をするのが、メンタルに良いSNSの使い方のようです。「こんな悩みがあってさ……」とネガティブな話題をするよりは、ポジティブな内容を伝える場にしていく方がいい。

ポジティブなことを発信するためには、何かをポジティブに捉えて、それを自分から伝えることが必要です。そのプロセスによって自分の周りにポジティブなことを見つけられ、自分もポジティブな気持ちになれるのです。

また、その発信を見る人たちもポジティブになれ、それによってポジティブな反応が自分にも返ってきやすくなり、自分のさらなるポジティブにもつながります。まさにポジティブの循環です。

ソーシャルネットワーキングサービスの概念
写真=iStock.com/metamorworks
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ネガティブな発信はネガティブを呼び込んでくる

逆に、ネガティブな発信はネガティブな反応を生みやすい。何かに対する批判を思慮なくしてしまえば、それに対して思慮のないネガティブな反応が返ってきて、自分のネガティブにつながりかねません。

また、自分の悩みや悲しみの発信にも気をつけなくてはいけません。

悲しい出来事を発信しようとする時、その出来事やネガティブな感情を心に巡らせることになる。そしてその悲しみのせいで、またさらにくよくよしてしまう。まさに、ネガティブ思考の悪循環が起きてしまうのです。

これまでの研究で、こうしたネガティブ思考のループが、さらに悲しさを増長させてしまうことがわかってきています。そうしたネガティブな心の働きは、うつ病や不安症、過食症などのリスクを高めてしまいます。

また、くよくよと心がネガティブに働きだすと、他人にあれこれ相談したくなるものです。そんな傾向は心理学的にも研究されていて、程度の差こそあれ万国共通の心の働きであることがわかっています。

そして、人に実際に悩みを相談したりシェアしたりする時、一度で済めば健全に済むかもしれないのに、ついつい何度も同じようなことを相談してしまうこともよくあります。

すると、聞き手の方もネガティブな相談に嫌気がさしたり、相談されないようにその人を避けたりと、次第に関係性が変わってきてしまいます。実際に、他人に悩みを何度も相談することで、人間関係が悪化してしまう傾向が明らかにされています。

やはり、SNSでの発信は、ポジティブなものを心がける必要がありそうですね。