不安を正面から受け止めず、捉え方を変える

「どうして不安になるのだろう?」「心配でしかたがない」などあれこれと考え、不安を真っ正面からじかに受け止めてしまうのではなく、これはおなかがすいたり、生理前になると腹痛や腰痛が起きたりするのと同じ生理現象なのだ、セロトニンの分泌量が減っているにすぎないのだ、と考えるのです。

そう考えれば、不安がさらに不安を呼び、ますます不安になっていってしまう、という悪循環を避け、自分の状態をコントロールしながら、しんどい時期をうまく乗り切ることができるでしょう。

●不安のとらえ方を変えてみる

たいていの人は「できれば不安はなくしたい」と考えるかもしれませんが、不安は人が生きていくうえで必要な機能、ともいえます。不安があるからこそ、人は備え、工夫し、努力できる一面があります。

不安を箱にしまってしまうことも必要

病気になったらどうしよう、そうならないために生活習慣を見直す、会社のリストラ候補になったらどうしよう、そうならないために精いっぱい努力する、将来夫が浮気をするかもしれない、そのときのためにへそくりをためよう、などというように。

セロトニンの分泌量が抑えられているのは、人をあまりに能天気にさせないための脳の働きかもしれません。

こう考えると、不安もまったくの悪者ではありません。

●不安を箱にしまってしまう

といっても不安の中には、漠然とした不安というものもあります。

こんなときには、不安を感じている自分を客観視するという方法も有効です。不安を感じたら、「ああ、私はいま、不安を感じているな」と自覚してみるのです。

そして不安をひとつのモノとして、自分から切り離して考えてみます。

いま、私は「不安」というモノを抱えているな、いろいろ考えるべきことはあるかもしれないけれど、とりあえずいまはこの「不安」というモノを箱の中にしまって、今日は寝てしまおう、不安になるのは後回しにしよう、などと考える。しっかり眠って翌朝その箱を開けると、不安がなくなっている場合も少なくありません。

部屋のベッドに一人で座る女性
写真=iStock.com/recep-bg
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