「助けさせてもらう」という謙虚な気持ちを
あるいは、友人から旅行のお土産をもらうと、自分が旅行に行ったときにもお土産を買っていかないと悪い気がしてくる。相手は見返りを期待してお土産をくれたのではないとわかっていても、何かの形でお礼をしないと、何となく気分がスッキリしないのです。
このように、人はだれかから何かをしてもらうと、「借り」をつくってしまった気持ちになり、その状態のままでいるのが非常に嫌なのです。
というのは、私たちは無意識のうちに「何かをしてもらったときにお礼を返さない人は嫌われる」という社会的ペナルティがあることを知っているからです。
つまり、だれかを助けるというのは、相手をそういう気持ちにさせることなのです。
もちろん、助けた相手が感謝の気持ちを抱いてくれる場合もあるでしょう。しかし同時に「悪いな」「お礼をしたい」という気持ちも抱えています。
だれかを助ける行為は尊いことですが、相手の気持ちに負担をかけていることも忘れずにいたいものです。「助けてあげる」というより、「助けさせてもらう」という謙虚な気持ちを抱くことが大事、といえそうです。
また、助けた相手からのお礼は快く受け取りましょう。「借り」を相手につくらせたままお礼を返させないと、その相手はずっと、「借り」を抱えた不快な状態でいることになり、しまいにはあなたを重たい存在と感じるようになってしまいます。お礼を受け取ることで、相手の気持ちを軽くしてあげるのも、とても大切なことなのです。